山形県西川町長にパワハラ疑惑 誓約書拒否され襟元つかむ
元職員が人権救済申し立て
2025年4月2日(水) 17:58 産経新聞
山形県西川町の菅野大志町長(46)が町職員の男性(先月末で退職)の襟元をつかみ、町長室に連れ込んだとして、この男性が山形地方法務局に人権救済を申し出ていたことが2日分かった。菅野町長は同日記者会見を開き、「熱い思いで行き過ぎた。大変申し訳ないことをした」と行為を認めた。男性によれば、菅野町長をめぐってパワーハラスメントを訴えていた別の職員もいるといい、日常化していた可能性もあるが、菅野町長は否定している。
菅野町長の説明によると、男性は課長級職員として水道にかかわる新規事業に携わっていたが、昨年9月に年度末の早期退職の意思を町側に伝えた。町長は、後任が決まるまで現職にとどまるよう求めた誓約書を作成し、男性に提示したという。
男性は提示された翌日、菅野町長に署名の意思がないことを伝えると、襟元をの上部をつかまれたうえで町長室に連れ込まれたという。男性は報道機関向けの書面で「殴られるかと思うほど非常に恐怖を感じた」と話している。
さらに、「それまでも机をたたいたり、資料を机にたたきつけたり、『何回も同じことを言わせるな。アホか』と言われたこともあった。私だけでなく苦しんでいる職員も大勢います」と訴えた。
これに対し、菅野町長は「机をたたいたことはない。資料などを見て『アホみたいな内容だな』ということはあったが、本人にアホと言ったことはない。パワハラがあったともまったく思っていない。(就任以来)『役場が明るくなった』という声はよく聞きます」と全否定した。
菅野町長は西川町出身。平成13年、財務省東北財務局入局。いわゆるノンキャリアの国家公務員として、地銀の監督業務に携わったり、霞が関の金融庁へ出向してメガバンクを担当したりした。令和4年の町長選に出馬し、初当選を果たした。
西川町は第三者委員会を設置して、事実関係の調査を行う方針。
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西川町の元男性職員 町長に襟元つかまれ町長室に連れ込まれる
人権救済申し立て 町は第三者委員会設置へ
2025年4月2日(水) 18:29 山形放送
西川町の元職員の男性が、菅野大志町長から襟元をつかまれ町長室に連れ込まれた行為が人権侵害に当たるして、山形地方法務局に人権救済を申し立てたことが分かりました。町は、町長のパワーハラスメントの有無などについて調査する第三者委員会を設置する方針です。
菅野大志町長「元職員に対してつらい思いをさせたことにお詫びを申し上げます。町民の皆さま、連携企業の皆さま、一緒に前に進んでくれた職員の仲間が仕事に集中できない環境をつくってしまったことにお詫びを申し上げます」
山形地方法務局に人権救済を申し立てたのは、西川町を3月末で早期退職した元職員の男性です。
町の説明や男性の話によりますと、男性は去年9月に早期退職の意思を町に伝えていました。
12月上旬、菅野町長が男性の担当している水道事業について業務が完了するまで仕事を続けるよう求め、「後任が決まるまで事業を遂行する」との誓約書に署名を求めたということです。
男性が誓約書を受け取った翌日、署名できないことを伝えると、菅野町長は男性のジャンパーの襟をつかみ、町長室に連れ込んだということです。そして菅野町長は男性に対し、事業の終了に一定のめどが立たない場合、退職後も集落支援員などとして引き続き業務に携わるよう求めたということです。しかし、男性の意思は変わらず、3月末で退職しました。
菅野町長は2日午後4時から記者会見を開き、男性に「退職後も業務遂行することなどを迫った」事実関係をおおむね認めました。
菅野大志町長「その事業が3月までに形にならなければ、大井沢など実際に町民が困ると思い未熟ながらカッとなってしまった」
その上で「町長室では、署名したくなければ署名しなくてもよいと男性に伝えた」と話しています。一方、襟をつかんだとされる点については「襟かどうかはわからないが、ジャンパーの上の方だったと思う」としています。
町は今後、町議会の議決を経て、今回の件も含め、町長のパワーハラスメントの有無などについて調査する第三者委員会をできるだけ早く設置するとしています。
一方、町は3月末で退職した複数の職員に対し、「守秘義務を守らず町に損害を与えた場合、損害賠償に応じる」といった内容の誓約書への署名を求めていたことを明らかにしました。地方公務員法では、退職後も職務上知り得た秘密を守るよう定められていますが、自治体では通常はこうした誓約書への署名は行われていません。
この件について、菅野町長は「総務課長には、退職後の守秘義務について退職者に知らせたほうがいいと話していた。誓約書を用意し、署名を求めていたことは知らなかった。私が文面を確認するべきだった」と話しています。
菅野町長をめぐっては、町長のパワーハラスメントの有無などに関する議員の質問があった3月5日の町議会一般質問のアーカイブ映像が非公開となった過程が問題視されています。この件では、職員へのパワハラについて菅野町長は「認識はない」と否定しています。
【動画】服をつかみ町長室に連れ込む...
西川町長が職員対応を陳謝「カッとなってしまった」
パワハラの常態化は否定も、第三者委員会設置で検証へ(山形)
2025年4月2日(水) 18:36 テレビユー山形
山形県西川町の菅野町長が、退職の意向を示していた男性職員とのやりとりの中でこの男性の服を引っ張るなどして町長室に連れて行ったと報道されたことを受けてきょう記者会見を開き、菅野町長は「カッとなってしまった」と述べ、陳謝しました。
西川町 菅野大志 町長「実際に町民が困ると思い、未熟なことにカッとなってしまいました」
これは、西川町の菅野大志(かんの・だいし)町長が、去年12月、退職の意向を示していた男性職員に後任が決まるまで仕事に関わるように求める誓約書に署名を求めた際、この職員が拒否したため服をつかんで町長室に連れ込むなどしたとされるものです。
菅野町長は、当時の状況について次のように語りました。
■退職職員は「人権救済の申し立て」
西川町 菅野大志 町長「周りの職員に確認いたしました。左手でジャンパーの上のほうをおさえて2人で町長室にいった」
この男性職員は現在退職していて、きのう付で法務局に人権救済の申し立てを行っています。
菅野町長は会見の中で元職員に対し陳謝しました。
西川町 菅野大志 町長「人権救済を申し立てた元職員に対してつらい思いをさせてしまったことにお詫びを申し上げます」
■町長はパワハラの常態化を否定
町長は、パワーハラスメントの常態化について問われると、これを否定しました。
西川町は、再発防止策としてハラスメントが起きた場合の相談体制の強化やアンケートを行うなどハラスメントが起きない環境の整備を行っていくとしました。
一方、退職した職員は上着を引っ張られたほかにも、町長が机を叩くことや、「何回も同じことを言わせるな、アホか」などと言うことがあった。「これまでの言動は耐えられるものではありませんでした」とのコメントを発表しています。
■第三者委員会設置へ
菅野町長は、会見で、今後第三者委員会を設置することを明らかにしました。今後は第三者の調査で問題の内容が検証されることになります。
パワハラはあったのか、当時の様子はどうだったのか。検証と報告が待たれます。
山形・西川町の元職員「襟元つかまれ町長室に連れ込まれた」と
人権救済申し立て…町長陳謝「カッとなった」
2025年4月2日(水) 22:49 読売新聞(柏このか、常陰亮佑)
山形県西川町の菅野大志町長に上着の襟元をつかまれ、町長室に連れ込まれるなどしたことが人権侵害だとして、元町職員の男性が、山形地方法務局に人権救済を申し立てたことがわかった。菅野町長は2日、町役場で記者会見し、「つらい思いをさせてしまったことをおわびする」と陳謝した。町は今後、パワーハラスメントに関する第三者委員会を設置し、実態を調査する。
「のけぞるほどの力」
男性の説明によると、男性は昨年、年度内での退職を申し出ていたが、12月10日に菅野町長から、担当業務について「責任もって遂行することを誓う」とした手書きの誓約書を示され、署名を求められた。男性は翌11日、署名できないと伝えたが、菅野町長に襟元をつかまれ、体がのけぞるほどの力で町長室に連れ込まれたという。
男性は署名をせず、3月31日付で退職し、4月1日、山形地方法務局に人権救済の申し立てを行った。
被害の申告を受けた法務局は、職員や人権擁護委員が事実関係を調べる。人権侵害が認められた場合は、加害者側に改善を求める勧告などの救済措置を行う。
カッとなった
菅野町長は2日に記者会見を開き、経緯を説明するとともに謝罪した。
会見での説明によると、町長は昨年12月11日、男性に誓約書に署名したか尋ねたが、「書けません」と言われたため、男性の上着の上の方をつかみ、一緒に町長室に入った。町長は「未熟なことにカッとなってしまった」と述べ、「申し訳ない」と頭を下げた。
一方で、「業務への熱意が彼にとっては精神的に苦痛だったのかもしれない、目標を達成してほしい一心だった」と弁明した。
また、町は3月31日付の退職者全員に対し、秘密情報の保持と違反した場合の賠償を明記した誓約書への署名を求め、反発を受けて取りやめたことも判明している。これについて、町長は改めて関与を否定した。
誓約書を作成したのは総務課職員の独断だとし、オンライン会議アプリ「チームズ」で共有されてはいたが、中身は「見ていなかった」という。町長は「守秘義務について口頭で説明するだけでいい」と指示したと釈明した。
第三者委設置へ
町は今後、パワーハラスメントを調査する第三者委を設置する方針。委員の選任は他県の事例を参考にし、県弁護士会に依頼することなどを予定している。
また、町ではこれまで総務課にハラスメントの相談窓口を設置しているのみだったが、相談体制の強化として〈1〉外部機関の相談窓口の設置〈2〉ハラスメントに関するマニュアルや対応フローの作成〈3〉セルフチェックの実施――を行う。
再発防止策としては、全職員を対象にした定期的なアンケート調査などを実施するという。町長は「心理的安全性が保たれる取り組みが必要だ」と述べた。
元西川町職員が菅野町長からの「人権侵害」主張・法務局に申し立て
町は第三者調査委員会設置し調査へ【山形発】
2025年4月5日(土) 8:04 さくらんぼテレビ
3月に退職した山形・元西川町職員の男性が、「菅野町長に人権侵害を受けた」として、4月1日に法務局に人権救済を申し立てた。これに対し菅野大志町長が4月2日に会見を開き、町に「ハラスメント対策の第三者調査委員会」を立ち上げる方針を明らかにした。
業務継続を強要・襟元つかみ町長室へ
会見の冒頭、「このたびは、報道にあった人権救済を申し立てた元職員に対して、つらい思いをさせてしまったことにお詫びを申し上げます」と謝罪した菅野大志町長。
一部報道や西川町の説明によると、元職員の男性は町の水道を維持管理する業務を担当し、2024年秋に早期退職の意思を町に伝えた。
しかし菅野町長は、2024年12月、元職員に対し業務が完了するまで仕事を続けるよう話し、手書きの「誓約書」に署名するよう求めたという。
元職員の男性が、町長に「署名できない」と伝えたところ、町長は男性の襟元をつかんで町長室に連れ込んだという。この姿は複数の職員にも目撃されている。
これに対し菅野町長は、次のように釈明した。
菅野大志町長:
未熟なことにカッとなってしまいました。左手で元職員のジャンパーの上の方を押さえて、2人で町長室に行ったというのが真実です。私の熱い思いにより行き過ぎた行動をとってしまい、元職員には大変申し訳ないことをした。
これまでも複数のパワハラ案件報じられる
菅野町長をめぐっては、これまでもパワハラなどが疑われる複数の事案が報道されている。
町は、これら一連の事案について調査する「ハラスメント第三者調査委員会」を設置する方針を初めて示した。
町の担当者:
第三者による調査委員会を設置して、公正中立な立場からの調査を実施するとの方針を決定した。
町は今後、臨時議会を招集し、第三者委員会の設置を規定する条例案の議決を経て調査を始めたいとしている。
また再発防止策として、全ての職員への定期的なアンケート調査と研修を実施するとしている。
《カウンセラー松川のコメント》
公務員とは言え、中途退職をする権利は存在します。
それを「後任が見つかるまで退職しない」との誓約書に署名させようとする
気持ちは分かりますが、実行するのは信じ難い行為。暴挙とも言えます。
しかも、誓約書への署名を拒否するとパワハラに至るとは、
人の上に立つ者の所業ではありません。
証言に食い違いがあるかも知れませんが、
そもそも誓約書に署名を求めた段階で問題行動です。
被害者の方へ
どうせ退職するのですから、遠慮なく権利を行使してください。