パワハラ発覚の西臼杵広域消防本部 新人2人に辞令も欠員続く
2025年4月1日(火) 16:31 NHK
消防署長ら3人の上司によるたび重なるパワハラやセクハラが問題になり、先月処分が行われた宮崎県の西臼杵広域消防本部では、新人消防士2人が辞令を受けました。
新たに消防士として採用されたのは高千穂町出身の坂本虎太朗さん(18)と、五ヶ瀬町出身の伊藤蓮さん(21)です。
1日高千穂町にある消防本部で開かれた辞令交付式で、2人は声をそろえて住民のために誠実・公正に働くと宣誓しました。
西臼杵広域消防本部では、消防署長ら3人の上司による多くの職員へのたび重なるパワハラやセクハラが問題になりました。
百条委員会による調査や懲戒処分を経て3人は職場を去ったものの、ほかにも退職する人が相次ぎ、新たに採用された2人を加えても40人の定員のうち6人が欠員となっています。
本来は3交代制の勤務を2交代制にするなどして何とか消防や救急の機能を維持していますが、職員の負担は重くなっているのが現状です。
伊藤さんは「職場の雰囲気はまだよく分からないが、消防士として恥じない行動でしっかり頑張りたい」と話し、坂本さんは「これまで地元でお世話になった人たちに恩返しをしていきたい」と話していました。
【消防本部運営組合がハラスメント防止宣言】
西臼杵広域消防本部を運営する事務組合は1日、「ハラスメント防止宣言」を出しました。
この中では「ハラスメントは個人の尊厳と人格を侵害する許されない行為だ」として、防止のためにあらゆる方策を進めるとしています。
そのための「指針」も新たに作成し、ハラスメントに関する第三者による相談窓口を設けるほか、防止のための委員会を設置し、毎年、実態の把握や対策の効果の検証などを行うとしています。
事務組合ではこうした取り組みを通して、ハラスメントが横行していた消防本部の職場環境を刷新していきたいとしています。
《カウンセラー松川のコメント》
宣言やトップの意思表明を出すのは簡単です。
大切なのは、それが末端にまで浸透する、実効性が有るかどうかです。
3部制勤務を2部制勤務にしなければならない程の
欠員状況は悪化の極めでしょう。
幹部だけではなく全職員で取り組まない限りは、
職場改善も難しいでしょう。
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