2021年2月19日金曜日

汚職・パワハラ・一斉退職…三重大病院に日本麻酔科学会が緊急立ち入り

汚職・パワハラ・一斉退職…三重大病院に日本麻酔科学会が緊急立ち入り

 

2021年2月19日() 16:58 CBCテレビ

 

 度重なる汚職事件やパワーハラスメントなどで麻酔科医が一斉に退職した三重大病院に、日本麻酔科学会が19日午後、緊急の立ち入り調査に入りました。

 

 三重大病院の臨床麻酔部では、元教授ら3人が汚職事件などで相次いで逮捕されたほか、別の現職医師による部下へのパワーハラスメントも発覚しています。

 

 およそ20人いた正規の麻酔科医は一斉退職で4人にまで減り、三重大病院では麻酔科医を育成するプログラムが停止に追い込まれています。この事態を受けて日本麻酔科学会は19日午後、三重大病院に立ち入りました。

 

 「医師の一斉退職を招いた三重大学病院に、日本麻酔科学会がサイトビジットに入ります」

 (越智記者)

 

 日本麻酔科学会の「サイトビジット」は、麻酔科医の育成や医療の安全性を調査する目的で行うもので、研修医らから直接勤務状況の聞き取りを行うほか、退職した医師からもオンラインで聴取を行います。

 さらに、三重大病院には別の問題も浮上しています。

 

 日本麻酔科学会は安全性の観点などから、1人の麻酔科医が手術中の複数の患者に同時に麻酔を行う「並列麻酔」を原則禁止していますが、三重大病院ではここ3年間で「並列麻酔」を全身麻酔の手術のおよそ1割から2割で行っていたことを認めたのです。

 

 「県内在住者が、手術終了直前に急変し、結局亡くなった」

(三重大病院 兼児敏浩副病院長)

 

 2017年には「並列麻酔」を行った手術の最中に、三重県内在住の男性患者が死亡していて、病院側は、「並列麻酔」が事故の遠因となった可能性があることも認めています。

 

 病院では、ことしに入ってからは並列麻酔を行っていないとしていますが、不足する麻酔科医の人材確保は依然として大きな課題となっています。


《カウンセラー松川のコメント》

麻酔科医。病院でも診療科目には挙げられておらず、
外来では縁遠いとも言えますが、
近年ではペインクリニック等で麻酔科医も活躍されているとのこと。
その麻酔科医ですが、現状では手術に於ける麻酔の管理を行っております。
手術では麻酔が付きものですから、
手術前には患者に対して麻酔科医による説明や確認が行われます。
また、全身麻酔では患者が生命維持を自身で制御出来なくなるので、
麻酔科医が患者に代わって生命維持を行っております。
以前は外科医が担当していた麻酔管理を専門科目とし
患者の容体管理を麻酔科医に任せることで
外科医は手術に専念出来る様にもなりました。
よって、全身麻酔をされた患者は麻酔科医によって
生かされていると言っても過言ではありません。
しかし、主治医でも執刀医でもなく、
普段は病院の医師の中でも縁の下の力持ち的な存在とは言え、
現代医療の手術に於いては必用不可欠な麻酔科医だからこそ、
きちんとした対応が必要とも言えます。

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