2021年2月26日金曜日

「コロナに負けそう」働く女性苦悩 解雇、人員整理 就業・心理相談が急増

「コロナに負けそう」働く女性苦悩
 解雇、人員整理 就業・心理相談が急増

 

2021年2月26日() 9:30 神戸新聞(上杉順子、末永陽子)

 

 新型コロナウイルスの影響で、女性の雇用が揺らぎ続けている。神戸市にある女性就業相談室の利用者は昨夏、前年の1・5倍になり、ハローワーク内のカウンセリングを年末年始に受けた人の8割は女性が占めた。もともと女性は非正規雇用が多く、人員整理の対象になりやすいため、コロナ禍のしわ寄せが集中している。

 

 「解雇の知らせは突然、メールで。頭が真っ白になりました」

 

 神戸市垂水区の女性(63)は、食品工場で契約社員として10年近く働いた。若手の教育係を務め、頼られている実感があった。

 

 昨夏、通勤時に骨折。労災保険が下りて休職していた11月、夢にも思わなかった通告が来た。「その日の朝、電話で『帰ってくるまで待っているよ』と言われたのに」

 

 リハビリに励んでいるが、両手は今も肩以上の高さに上がらず、まだ次の仕事は考えられない。

 

 阪神間に住む女性(42)も昨秋、派遣切りに遭った。3年ほど勤務したが「コロナの影響による減産」を理由に契約終了を告げられたという。

 

 約8年前、当時の職場でのパワハラが原因でパニック障害とうつ病を発症。退職後は治療を優先するため正社員ではなく、派遣社員の道を選んだ。切られた職場は病気に理解があり、やりがいも感じていた。

 

 派遣会社には次の職場を紹介されたが、出勤前に吐き気をもよおして数日で辞めたり、重労働で踏み出せなかったり。貯金を切り崩す日々が続く。

 

 「病気を持ちながらも働きたい、社会に関わっていきたいという気持ちで頑張ってきた。でも、もうコロナに負けてしまいそう」

 

       ◆

 

 兵庫県と兵庫労働局が、県立男女共同参画センター・イーブン(神戸市中央区)に設置している女性就業相談室。求人検索や職業相談ができるのは近くのハローワーク(HW)神戸と同じだが、より落ち着いた雰囲気で、子ども連れでもゆっくり職探しができる。

 

 昨年6~12月の利用者数は前年度の約3割増。7~9月は前年同期より50~60%も多かった。

 

 「ここ1年、女性に人気の事務系職種は本当に求人が減った。女性従業員が多い販売・サービス業も厳しい状況だ」と、HW神戸の中島浩・統括職業指導官は説明する。

 

 解雇されたが転職先が決まらず、「失業給付が切れそう」と焦ってやってくる人、需要が減った飲食やサービス業などから転職しようと、職業訓練について相談する人も増えている。

 

 HW神戸内で臨床心理士が行うカウンセリングにも女性の姿が目立つ。昨年9月から回数を2倍に増やして月4回開催。2019年度の利用者は男女半々だったが、20年度(5月~今年1月)は65%が女性で、11月以降では8割に上る。「仕事が見つからない」「急に退職することになり困っている」などの悩みが寄せられている。


《カウンセラー松川のコメント》

新型コロナウイルス感染症対策の一環として、
緊急事態宣言の発令や営業自粛により観光業やその関連事業は元より
飲食店や小売店への経営も逼迫させています。
感染者を減らす事が急務なのは当然ですが、
その陰で感染とは無縁の非正規雇用者の就労までが脅かされているのが
今の我が国の現状です。
雇用調整助成金や持続化給付金の制度もありますが、
高齢や事務手続きに不慣れな事業主では対応に二の足を踏んでしまい、
士業に依頼すると高額な手数料を取られてしまい、
受給額によっては手数料分だけ赤字になる場合もあります。
国民の健康も重要ですが、国民が労働に勤しめてこそ健全な生活を送れ、
行政には税収も入るのです。
この様な経済労働条件も考慮して、
行政はバランス感覚に富んだ新型コロナウイルス感染症対策を執って欲しいです。

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