自殺トヨタ社員の労災認める 過密業務とパワハラ原因
遺族が逆転勝訴・名古屋高裁
2021年9月16日(木) 20:58 時事通信
2010年にトヨタ自動車社員の男性=当時(40)=が自殺したのは、過密な業務と上司のパワハラでうつ病を発症したのが原因として、男性の妻(50)=愛知県豊田市=が国に労災認定を求めた訴訟の控訴審判決が16日、名古屋高裁であった。
古久保正人裁判長は「発病させる程度の精神的負荷を受けたと認められる」としてパワハラなどが自殺の原因と判断。請求を棄却した一審名古屋地裁判決を取り消し、労災と認定した。
古久保裁判長は「男性が海外に関わる業務で困難な課題を課せられ、他の社員の面前で、上司2人から大声で威圧的に叱責されることが反復継続されたため、うつ病の症状を悪化させた」と指摘。こうしたパワハラについて「許容範囲を超える精神的攻撃と評価するのが相当」とし、業務と自殺との因果関係を認めた。
名古屋地裁は昨年7月、上司からの叱責などについて「発病させるほどの負荷だったとまでは認められない」としていた。
判決によると、男性はエンジン動力をタイヤに伝える製品の生産ラインを構築する業務などに携わっていたが、09年10月ごろにうつ病を発症し、10年1月に自殺した。妻は遺族補償年金を請求したが、豊田労働基準監督署は労災と認めず不支給処分としていた。
トヨタ自動車の話 従業員の声を吸い上げ、手を差し伸べることができなかったことは反省すべきで残念だ。風通しの良い職場風土を築くよう、努力を続けていく。
※ 参考として一審の名古屋地裁判決のニュースも掲載致します
トヨタ社員自殺労災認めず 妻の請求棄却、名古屋地裁
2020年7月29日(水) 15:43 日本経済新聞
トヨタ自動車の男性社員(当時40)が2010年に自殺したのは過重な業務と上司のパワーハラスメントが原因として、愛知県豊田市に住む男性の妻(49)が労災を認めなかった豊田労働基準監督署の処分取り消しを国に求めた訴訟の判決で、名古屋地裁(井上泰人裁判長)は29日、請求を棄却した。原告側は控訴する方針。
井上裁判長は判決理由で、業務内容が変わり目標を実現できない中、上司からの叱責が続き相談しにくい状況だったものの「仕事量が著しく増えたり、常時緊張を強いられたりする状態ではなかった」と指摘。上司の言動にも人格否定や執拗さはなかったとした。
その上で「心理的負荷が精神障害を発病させる程度の強度とは言えず、うつ病と業務に因果関係は認められない」と結論付けた。
妻は判決後に記者会見し「夫を思いながら、きっと勝てるという気持ちで今日を迎えた。悔しさでいっぱいです」と話した。
判決によると、男性は1990年にトヨタに入社し、08年4月以降、新型プリウスの部品生産ラインの立ち上げなどに従事。09年10月ごろうつ病となり、10年1月に豊田市内の雑木林で首つり自殺した。妻は労災補償を求めたが、豊田労基署は12年、「業務上の疾病に該当しない」として不支給を決めた。
妻は長女(19)と共に、トヨタに計約1億2300万円の損害賠償を求める訴訟も起こしている。
《カウンセラー松川のコメント》
地裁では労災と認められなかった過労自殺を、高裁では労災認定です。
判決は裁判官の裁量ですが、高裁で認定要因とされた
[他の社員の面前で上司2人から大声で威圧的に叱責されることが反復継続]
これを地裁の井上泰人裁判長は、どの様に判断されたのでしょうか?
自身がこの様な目に遭わないので、全く理解出来なかったのかも知れません。
これまでハラスメントの記事を挙げていても、裁判官の記事は無いですから。
今後の裁判官は社会情勢と共に市民の置かれている状況についても
理解を深めて欲しいです。
まずは高裁で勝訴できたことに安堵を感じました。
返信削除裁判官も様々な育ちの環境で、皆同じ判決を出すわけではないでしょうけど、被害者の心情を含め環境や背景も知って頂きたいものですね。
被告である国が上告しなければ、
削除高裁判決が確定するので本当に安心出来ます。
1988年に発生したトヨタ社員過労自殺については
2003年に名古屋高裁判決の
「労災を認め、遺族補償年金の不支給処分取り消しを命じる」
に対して上告を断念しております。
この時と同じ流れとなる事を願っております。
裁判官の生育歴は異なっても、
任官してからの経歴は似てしまうので、
社会人となってからの価値観も似てしまう傾向はあります。
勿論、全ての裁判官がそうではありませんが、
庶民感覚からズレた判決は法令だけを見つめ
その他の背景を勘案しない事から生まれていると
考えております。