2021年9月22日水曜日

暴言・体罰を同僚が7回も指摘、校長見過ごす 元教諭に確認せず「信頼していた。認識が甘かった」

暴言・体罰を同僚が7回も指摘、校長見過ごす
 元教諭に確認せず「信頼していた。認識が甘かった」

 

2021年9月22日() 21:16 神戸新聞(井上 駿、安藤真子)

 

 兵庫県姫路市立城陽小学校(同市北条)で、特別支援学級の担任をしていた元教諭の男性(39)=懲戒免職=が児童に差別的な暴言や体罰を繰り返していた問題で、一連の行為を目撃していた女性職員が2018年度以降、少なくとも7回にわたって同校の管理職に相談し、改善を求めていたことが22日、神戸新聞社の取材で分かった。管理職は相談を受けたが、詳しい事実確認をせずに口頭注意にとどめるなど、不十分な対応に終始した。

 

 この職員が6月、事案を詳細に記録したメモを示したことで、学校側は初めて本格的に調査し、市教育委員会などに報告した。職員は元教諭から口止めされていたといい、暴言や体罰を止められなかったとして苦悩し、現在は体調を崩して休んでいる。

 

 「まさか、こんなことをやっていたなんて」。今年6月、職員のメモを見た校長は事案の重大さに気付いて言葉を失ったという。メモを基にした調査の結果、暴言や体罰は18年度以降、34回繰り返されていたことが判明した。

 

 市教委などによると、元教諭は18年度から自閉症や情緒障害のある児童の学級を担当。随時授業をサポートする職員と2人態勢で授業をしていた。

 

 元教諭の暴言や体罰は同年夏ごろに始まり、職員は当時の教頭に「児童の体を押さえつけるなど、指導が厳し過ぎる」と相談。教頭は元教諭を口頭で指導した。数日後に改善されたか職員に尋ねたが「変わらない」との返答だったため、校長と2人で厳しく指導したという。

 

 だが、その後も暴言や体罰はなくならず、新型コロナウイルス禍で休校となった学校が再開された後、エスカレートしたという。職員は、20年度に教頭として着任した現校長にも計5回相談。それでも改善されなかったため、これまでの行為をまとめたメモを校長に提出し、詳細に証言した。

 

 同校では、元教諭に特別支援教育の中心を担ってもらおうと18年度以降、同学級の担任を継続して任せていた。本人も「自分には合っている」と周囲に話していたという。校長は取材に「(職員から)報告があった時に、どんな行為だったのか、何を言ったのかきちんと確認していなかった。(元教諭を)信頼しており、認識が甘かった」と話した。


《カウンセラー松川のコメント》

避けられたはずの事案が管理職の怠慢のせいで継続していた模様です。
改善されないままに人事異動もさせないのは
校長としての管理責任を問われるからでしょう。
そこには
「たかが特別支援学級の問題如きで自分の能力を疑われては堪らない」
そんな思いがあったのだと推測しています。
教員による体罰ではなく暴力だからこそ、早急に解決するべきでした。
取材では「信頼しており、認識が甘かった」とのことですが、
本音では「こんな大事になるとは思わなかった」だと思います。
加害者にしても「人事で不満を漏らしたら勤務評定が悪くなる」と
思っていたのではないでしょうか?
それとも、特段に弱い立場の児童に対して絶対的な立場で
君臨しているのが楽しかったのでしょうか?
教育現場の最前線も管理職もサラリーマン化し
事勿れ主義が横行する様になりました。
加害者を懲戒処分でこの問題を終わらせず、
特別支援学級の担任とはどの様なものなのか、
そして適任者や適任者としての教育をどうするか
そこまで検討するべきではないでしょうか?

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