2021年9月21日火曜日

高まる市民の関心、再発防止へ改革後押し 遠野市議会セクハラ問題

高まる市民の関心、再発防止へ改革後押し
 遠野市議会セクハラ問題

 

2021年9月21日() 8:00 河北新報(北上支局・野仲敏勝)

 

 岩手県遠野市議会は、男性市議のセクハラ発言疑惑が浮上して以降、3カ月にわたり調査に揺れた。「ハラスメントはあった」と認定し、辞職勧告を出すことで決着を見たが、セクハラ事案への対処法は整備されておらず、対応は手探りだった。市民の関心が高まり、再発防止に向け議会も改革に乗りだした。

 

 「男性市議がセクハラ発言を繰り返していた」。6月、市議会に匿名の投書が届いた。5月に市内に約20人が集まった飲酒を伴う民間の会合で、同席した女性市議にセクハラ発言をしたとの疑惑が出てきた。

 

 議会は特別委員会を設置し、出席した4市議から聞き取りをした。「不適切な言動がなかったとは言い切れない」として、本格的な調査を行うことになった。

 

 検証方法で壁にぶつかる。偽証を刑事告発できる百条委員会は「地方公共団体の事務に関する調査のため」と制限があり、除名などを協議できる懲罰委員会も「私人としての行為や議会外の議員活動」は対象外だ。

 

 このため強い権限を持たない特別委を7月に改めて設置し、再度聞き取った。同席した市民への聴取も検討したが「人口2万6000の小さな市で証言を求めれば、市民に迷惑を掛ける」と見送った。

 

 結局、疑惑のあった複数のセクハラ発言のうち、「ほっぺ触りたい」などについて男性市議と女性市議の発言が一致。特別委は「ハラスメントはあった」と9月定例会に報告し、調査を終了した。

 

 辞職勧告決議案も可決し、セクハラは許さないという議会の姿勢を示した。男性市議は進退を決めてないが、「女性に対して不適切な発言をした。おわび申し上げたい」と16日の市議会全員協議会で謝罪した。

 

■傍聴席に女性市民の姿

 

 早期の幕引きを促す消極論も出る中、毅然とした対処を後押ししたのは傍聴席の女性市民の姿だった。

 

  今回被害を受けたのは、3年前の市議選で旧遠野市を含めて63年ぶりに誕生した女性市議。セクハラ騒動に傷つき、後に続く女性もいなくなると心配された。

 

  ある女性は「男性市議17人の中に女性1人だけ。私がいることで少しでも楽になれば」とほぼ毎回傍聴した。議事内容をメモに取り、会員制交流サイト(SNS)で知人の女性十数人と共有し、支援の輪を広げた。

 

  傍聴した別の女性は「『ほっぺくらいで大騒ぎしている』と悪く言う人もいる」と女性市議の2次被害を懸念した。市民に正しい情報を伝えてデマを防ぐなど、市議会に被害者のケアを要望するつもりだ。

 

  国は6月、「政治分野の男女共同参画推進法」を改正し、女性の議会進出を阻害しないようハラスメント防止の環境整備を自治体などに求めている。

 

  遠野市議会は今回の事態を受け、今月30日に盛岡から専門家を招いてハラスメント研修会を開くことを決めた。再発防止や規定の整備に向けた第一歩となるのか。市民は注視している。


《カウンセラー松川のコメント》

拙ブログで
「Mメンタルサポート」 ブログ出張版: セクハラ発言の遠野市議に辞職勧告 市議会が決議案可決 (mms119.blogspot.com)
紹介致しました事案の後日談に当たります。
セクハラ発言も「明らかにセクハラ」から「解釈によってはセクハラ」まで
また受け取る側も「些細な事」から「発言者側の進退問題」まで様々なので
専門家による研修がどこまで実を結ぶのか疑問です。
しかし、この様な事案が男性議員から見て「女性議員は扱い難い」から
まるで腫れ物に触れる様な環境になるのが最も悪い結果でしょう。
[口は災いの元][沈黙は金]かも知れませんが、
[羮に懲りて膾を吹く]様な風潮となってしまっては
議員間のコミュニケーション不足に至ります。
「その発言はセクハラかも」と指摘されたら
四の五の言わずに謝ってしまうのが最善の方法です。
そして「その発言はセクハラかも」と
誰もが言える風潮を作るべきでしょう。
どうかこれを機会に、
遠野市議会が風通し良くハラスメントの無い議会の
第一人者になって欲しいです。

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