2026年7月19日日曜日

▼「学生スポーツの暴力問題」外国人はどう見る? 上下関係の“悪循環”や同調圧力に指摘も

「学生スポーツの暴力問題」外国人はどう見る?
 上下関係の“悪循環”や同調圧力に指摘も

 

2026年7月19日() 8:01 TOKYO MX

 

TOKYO MX(地上波9ch)の曹蒙記者が外国人記者の視点で東京の魅力や課題を伝える「TOKYO LENS」のコーナー。今回は、近年日本でも度々議論が巻き起こる「学生スポーツの暴力問題」について、日本を訪れている外国人がどのように見ているのか、そのリアルな声を取り上げます。

 

◆勝敗への執着やスポーツの構図が要因に 「世界中で起きている問題」との指摘

 

学生スポーツにおける暴力や行き過ぎた指導、ハラスメントの問題。これについて、グアテマラから訪れた男性は「それは日本だけの問題ではなく、世界中で起きている問題。どこでも発生していて、とても重要な社会問題になっている」と、決して日本固有の事象ではないと指摘します。

 

また、アメリカから来た男性は「勝つことに集中しすぎると、うまくできない人にいら立ちをぶつけるようになる。そういう要素も影響している」と、勝利至上主義がもたらす弊害について言及しました。

 

さらに、インドネシアから来た男性は「スポーツでは強い者・弱い者の差がはっきりしているので、弱い人がいじめられやすい構図だと思う」とスポーツそのものが持つ構造的な問題を挙げた上で、「一番大切なのは道徳。子どもたちが学校で安全に過ごせるようにすることが第一」と、教育の現場における道徳心の重要性を訴えました。

 

◆「周囲と同じであること」へのプレッシャー、同調を求める文化の違い

 

日本の社会文化的な背景に着目する声も聞かれました。カナダから訪れた男性は、「日本はファッションや行動、あらゆる面で『周囲と同じであること』が重視される文化。カナダよりも期待や規範に従う傾向が強い印象です」と語ります。

 

一方、共にいた女性は「カナダには様々な人種・文化の人がいるので、そこまで『同じでなければならない』というプレッシャーはありません。みんな違うのが当たり前なので、多少違っても受け入れられやすい。同調しない人を排除するような文化的背景はあまりない」と、多様性を認める自国との文化的なギャップについて説明しました。

 

◆厳しい上下関係がもたらす“悪循環”と「年上を敬う文化」の理想的なあり方

 

さらに、日本の部活動などで見られる「先輩を敬う文化」が関係しているのではと推察する外国人も少なくありません。

 

ドイツから来た女性は、「日本では高校などで上下関係が厳しく、後輩が先輩の言うことを絶対に聞かなければならない文化があるからではないか」と推測します。

 

さらに、共にいた男性は「若いころは“下っ端”として言われたことを全て聞かなければならない立場にあり、それが上に立つようになると、今度は自分が仕返しをしたくなる。厳しい上下関係がもたらす“悪循環”が起きている」と、世代間で連鎖するハラスメントの構造に懸念を示しました。

 

また、アメリカから訪れた男性は、メジャーリーグでのエピソードを交えながら、「ドジャースの大谷翔平選手はいつも年上の選手を立てようとする。例えばフレディ・フリーマンと一緒に歩いている時に、フリーマンがいつも彼の後ろを歩こうとするが、大谷選手が『あなたの方が年上だから先にどうぞ』という感じで譲ろうとする。それを見ると『日本的だな』と思う」と、日本らしい美徳の一面を語ります。

 

その文化は変えるべきかという問いに対して、共にいた女性は「いいえ、もちろん子どもたちには年上の人の言うことを聞いてほしいですが、度が過ぎるとよくない」と答え、「日本の『年上を敬う文化』は素晴らしいと思いますが、それが権力の乱用になってはいけない。年上・年下の両方が互いに学び合う関係が理想」と、伝統的な美徳を維持しつつもハラスメントを防ぐための、互いを尊重し合う関係性の重要性を強調しました。

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