2026年7月20日月曜日

息子の死から労災認定まで7年、遺族「待ち続ける時間は長く過酷だった」…調査迅速化への道半ば

息子の死から労災認定まで7年、
遺族「待ち続ける時間は長く過酷だった」…調査迅速化への道半ば

 

2026年7月20日() 14:05 読売新聞(西村魁)

 

 労災申請から認定の可否が判断されないまま半年以上経過する「長期未決事案」の件数が、2000件を超えて高止まりしている実態が明らかになった。裁判の末、7年かけて過労死と労災認定された男性の両親は「待ち続ける時間は長く、大きな負担だった」と述べ、労働基準監督署に早期に正確な判断を行うよう求める。

 

 「息子の労災が認められるまでストレスを感じ続けた。過酷な日々だった」。製薬会社の長崎出張所の営業職で、2018年に過重労働などを苦に自殺した下山達也さん(当時31歳)の父・俊光さん(72)、母・たみ子さん(71)は、涙ながらに語った。

 

 代理人弁護士らによると、両親は19年3月に長崎労基署に労災を申請。1年8か月後にようやく決定が出たが、自殺に業務との関連性がないとして労災は認定されなかった。

 

 決定を不服として審査や再審査を請求したものの棄却されたため、両親は24年1月、国に決定の取り消しを求めて東京地裁に提訴した。地裁は今年4月の判決で、下山さんが自殺する前に約20日間も連続勤務していた負荷などを考慮し、自殺と業務に因果関係があったと判断。国の決定を取り消し、労災を認定した。その後判決が確定した。

 

 たみ子さんは、「労災が認められて息子の尊厳が守られた」としながらも、「労基署は調査に1年8か月を費やしたのに、息子の過酷な状況を正当に判断してくれなかった」と憤る。

 

 厚生労働省も各労基署へ調査の迅速化を促すが、解消は道半ばだ。

 

 東京労働局では、労働基準監督官を指導する「監察官」が管内18の労基署を定期的に巡回し、労災の調査対象の選定方法を助言するなどして調査の効率化を図っている。ただ、ハラスメントの事案では上司や同僚など10人を超える関係者に聴取しなければならないケースもあるといい、厚労省幹部は「調査の効率化で、人手を割かなければならない重大な事案の調査を充実させる必要がある」と強調する。

 

 過労問題に詳しい川人博弁護士は「迅速化を目指すあまり調査を尽くさず、不認定の決定が増えれば労働者側が不利益を被ることになる。国はさらなる調査の効率化や人員の拡充に努めるべきだ」と指摘する。


《カウンセラー松川のコメント》

記事によると東京都内には18の労働基準監督署(労基署)があるそうです。
しかし、企業数も多いので、労基署も多忙でしょう。
担当者である労働基準監督官の数は400人に満たないのでも、
必然的に対応が遅れてしまい、それが年単位となってしまっても
不思議ではありません。
労働者にとっての守り神とも言える労働基準監督官の数を
相当に増加させないと問題解決の道は遠いと思います。


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