2021年10月19日火曜日

セクハラ被害訴え、女性警視の損賠請求を棄却「違法行為とまではいえない」

セクハラ被害訴え、女性警視の損賠請求を棄却
「違法行為とまではいえない」

 

2021年10月19日() 19:09 京都新聞

 

 滋賀県警彦根署の男性署長が警察庁に出向中、性的な発言などを繰り返し受け抑うつ状態になったとして元同僚の女性警視が損害賠償を求めた訴訟の判決が19日、東京地裁であった。

 

 筒井建夫裁判長は男性が職場の懇親会でズボンを脱いで下着を露出させたり男性性器に言及するなどしたことは認めたものの「不快感を与えるおそれはあるが、原告の人格権を侵害する違法行為とまではいえない」として請求を棄却した。

 

 判決によると、男性は20143月に警察庁に出向。女性が151月、職場や歓送迎会で性的な発言を受けたとして上司に訴え、抑うつ状態と診断された。警察庁は173月、セクハラを認め、国家公務員災害補償法に基づく公務災害に認定している。

 

 訴訟では警察庁の調査や公務災害認定の報告書が証拠提出されたが、筒井裁判長は「第三者から聴取した部分が黒塗り(非開示)で、(男性の)どの言動がセクハラと認められたか分からない」と指摘し、女性の訴えを退けた。

 

 女性の代理人の千葉恵子弁護士は「判決は卑猥な言動を認定しているが、『社会的相当性を欠くとまではいえない』と責任を否定した。裁判所がセクハラ言動を追認するようで非常に問題だ」と話している。女性は控訴する方針。


《カウンセラー松川のコメント》

裁判長が「第三者から聴取した部分が黒塗り(非開示)で、
(男性の)どの言動がセクハラと認められたか分からない」
と指摘するならば、
職権で証拠物件を開示出来る様にするのが法治国家だと思います。
警察庁も黒塗り資料ならば証拠能力無しとされる事を承知の上で
提出したのは明白であり、完全に組織防衛の姿勢です。
民事であれ被害が認められないのが、警察庁としては良いのですから、
当然の対応と言えます。
しかし、この判決で画期的なのは、
職場の懇親会でズボンを脱いで下着を露出させても
「人格権を侵害する違法行為とまではいえない」と断言したことです。
被害者にとっては青天の霹靂。
加害者にとっては社会通念上許される行為となった訳です。
男性判事としては
「パンツを見せようが、男性器の話をしようが、
そんな事くらいで心身を病む訳がない」
と、加害者寄りと言うよりも男性寄りの判決を下した訳です。
これが確定判決になると、今後のセクハラ裁判にも影響が及ぶでしょう。

被害者の方へ
不快な思いを通り越して、抑うつ状態になってしまったのは
とても辛い思いをされているからだと感じます。
公務災害ではセクハラを認めても、民事訴訟ではセクハラと認めない。
この二重基準には納得出来なくて当然だと思います。
警察官しかも幹部がセクハラを率先して行うのは異常としか思えません。
大変でしょうけど、しっかりと勝訴を勝ち取ってください。

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