事実確認なく厳しい叱責、校長からの不当な扱いで適応障害に
男性教職員が明かしたパワハラ被害
2026年3月30日(月) 11:48 福井新聞
「理不尽な指導や言葉の暴力を受けた」。福井県内の公立中学校の60代男性教職員は、管理職からのパワハラ被害を受けた経験を福井新聞の「ふくい特報班」(ふく特)に明かし、「外部に相談できるようなサポート体制が必要」と訴えた。3月26日に公表された県教委の実態調査結果では、教職員の2・9%に当たる245人が現在ハラスメント被害に悩んでいると回答。県教委は2月に新設した第三者相談窓口などを通じ、被害者に寄り添える体制づくりを進める。
男性教職員は、2020年度に勤務していた中学の校長から「パワハラ指導を受けた」と振り返る。新型コロナウイルス感染症を受けた玄関や職員室の除菌作業を日直として担当。自ら用意した消毒液などで作業を行ったが、学校が用意した用具が未使用だったことから、業務を怠ったと思い込んだ校長から叱責(しっせき)を受けた。
「着任当時の前向きな姿が見えない」「常日ごろからいいことを言っていても、行動していないのはよくない」。このとき、校長から事実確認もなく頭ごなしに厳しい言葉を浴びせられ、「人格が否定された」と感じた。以前に職員会議中の話を聞く態度をめぐって同じ校長から受けた不当な扱いもあり、心労が重なった。倦怠(けんたい)感や体重減少、睡眠障害などの症状が出て、精神科医から適応障害と診断を受けた。
校内でのハラスメントについては「何かあれば報告するようにと言われていても、管理職が加害者本人の場合、言えるわけがない」。市教委担当者や県教組に電話相談はしたが結局、同僚を頼りにしながら、理不尽な言動は取り合わないでやり過ごそうという心持ちで乗り切ったという。「教師生活で最悪の年だった」といい、「人間関係で病んでいる教諭はたくさんいる。泣き寝入りせずに被害者が救われるシステムが必要」と強く訴える。
杉本達治前知事のセクハラ問題を受け、県教委は2月、知事部局と同様にハラスメントの第三者相談窓口を新設。外部の弁護士が電話やメールで相談を受けられる体制をつくった。県教職員課は「教育委員会の中だと身内に対してになるので、あつれきを意識して相談しづらいことがあるといけない。第三者であれば客観的にみてくれるという窓口になる」と改善点を挙げる。
同課は、課内や教育総合研究所に設けている相談窓口ではこれまでも、相談者の意向に沿って聞き取りなどで事実確認に当たる対応を取ってきたと説明。「(相談情報が漏れることなどによる)二次被害を防ぎながら、被害者の負担にならないように調査を進める必要がある」としている。
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