2021年12月6日月曜日

城陽小の暴言体罰問題【教員の声(上)】支援学級の定員多すぎる

城陽小の暴言体罰問題【教員の声(上)】支援学級の定員多すぎる

 

2021年12月6日(月) 5:30 神戸新聞

 

 兵庫県姫路市立城陽小学校の特別支援学級で起きた暴言・体罰問題について、神戸新聞姫路本社がメールやアンケートフォームで募った意見には、現役の教員からも多数の投稿が寄せられました。支援学級の定員について「1学級8人は多すぎる」という意見や、計34件の暴言・体罰を認定された元教諭は、指導していたクラブ活動「金管バンド」が負担になっていたという指摘もありました。

 

    ◇    ◇

 

 子どもたちのささやかな歩みを見守ることに生きがいを感じて特別支援学級の講師を再任用で続けてきましたが、このたび退職します。

 

 初めて支援学級の担任をした昭和の時代は、まだ障害児への偏見も残っており、「見守っているだけでいい」と考える学級担任もいました。平成に入り、意欲も知識もある教師が増えましたが、2007年に特別支援教育が導入されると、学級数や担当教員が急増し、意識の低い教員も増えたように感じています。

 

 管理職の理解も貧しいままで、私の勤務地では、支援学級に熱意のある教師を配置することはまれです。

 

 支援学級の定員は1学級に児童8人。定員いっぱいの学級の運営は、熱意ある先生でも厳しい。

 

 「特別支援教育は教育の原点」ときれい事を言う前に、現場からのSOSをキャッチしてほしい。心ある教師が、やりがいを感じながら子どもたちと過ごせるようにと祈っています。(県外、教員、60代)

 

 志願して特別支援学級の担任をしています。特別支援教育が大好きな人に担任を持たせないと、こういう問題が起きる。普通学級とは職種が違うのかというくらい、仕事が違います。

 

 支援学級の担任が大好きでも、心身が持たないときがあります。学年や学習内容、対応の仕方など全てが違うので目まぐるしい。1学級に児童8人では回らないのが実情です。(姫路市、教員、30代女性)

 

 

 教員の働きにくさやストレス、つらさを緩和する取り組みをしてほしい。今のままでは体罰や暴言は絶対なくならない。(県内、教員、20代男性)

 

 姫路市内の小学校教諭です。今回の問題の根源には、元教諭が指導していた「金管バンド」の影響が大きいと思っています。

 

 金管バンドは、指示通り正確に動いた児童が褒められる世界で、この活動は素晴らしいものではあるのですが、公立小学校の活動として行うこと自体がおかしいと思っています。

 

 指導教員は、早朝や放課後、土日祝日に練習や遠征へ無報酬で駆り出され、心にも体にも余裕がなくなります。一方で、職員室の校務は軽減される傾向にあり、ほかの教員にしわ寄せがいきます。

 

 学校とは別の組織として、私立の金管バンドを設立したらいいのに、とさえ思います。こういった背景が、今回の事件に関係していると思われてなりません。(姫路市、教員)


《カウンセラー松川のコメント》

拙ブログの10月4日付け記事
「Mメンタルサポート」 ブログ出張版: 支援学級の児童らに「お前はクソや」「生きる価値なし」…教諭の釈明「強く言っても動じないから」 (mms119.blogspot.com)
これの続報です。
事案の概要からすると加害教諭に問題がある様にも受け取れますが、
暴力行為を働きたくて特別支援学級の担任をしているとも感じられません。
私には、志願したものの行き詰まりとなりながらも、
他者の支援を受けずに頑張り通した結果の事案と感じました。
ニュースでも特別支援学級の運営の大変さが声として挙げられています。
或る意味、加害者も被害者であったのかも知れません。
再発防止を個人任せにするのではなく、
機構そのものを改善するべきでしょう。

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