2021年12月15日水曜日

先輩隊員「やめてしまえ」と発言「ボケ」と付箋も“パワハラ”否定 機動隊員自死訴訟

先輩隊員「やめてしまえ」と発言
「ボケ」と付箋も“パワハラ”否定
 機動隊員自死訴訟

 

2021年12月15日() 9:50 毎日放送

 

 6年前の2015年、兵庫県警の機動隊員だった息子が自殺したのは先輩による“パワハラ”が原因だったなどとして両親が起こした裁判で、名指しされた先輩隊員が初めて法廷に立ち「危機意識を持たせるためにしたこと」などとパワハラを否定しました。

 

 2015年10月、兵庫県警の機動隊の巡査だった木戸大地さん(当時24)は、寮で首をつって自殺しました。両親は木戸さんが先輩から日常的に暴言や体罰を受けたことでうつ病を発症したとして、兵庫県に約8000万円の損害賠償を求めています。これまでの裁判で兵庫県側は、争う姿勢を示し訴えを退けるよう主張していました。

 

 12月14日に神戸地裁で開かれた証人尋問で、木戸さんの先輩隊員が初めて出廷し、木戸さんに「やめてしまえ」と発言したこと、書類に不備があった部分に「ボケ木戸」と書いた付箋を貼ったこと、木戸さんにだけミス一覧表を作らせたことなどは認めました。

 

 一方で、先輩隊員は「(木戸さんが)業務上のミスを繰り返すので危機意識を持たせるためにしたこと」と主張し、パワハラについては否定しました。

 

 次回の裁判は2022年3月1日で、この日に結審する予定です。

 

 

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自殺した兵庫県警の機動隊員
 「パワハラが原因」と両親が訴えた裁判
 上司は「パワハラはなかった」

 

2021年12月14日() 20:03 関西テレビ

 

6年前、兵庫県警の機動隊員が自殺したのは職場のパワハラが原因だとして、両親が県を訴えた裁判。自殺した隊員の先輩や上司は、「パワハラはなかった」と主張しました。

 

2015年、職場の寮で自殺した兵庫県警の元機動隊員・木戸大地さん(当時24)。

 

人命救助用のロープで首を吊っていました。

 

【木戸大地さんの父・一仁さん】

「今の機動隊に入って、職場が腐りきっとると、泣きながら1回だけ愚痴をこぼしましたね」

 

大地さんの所属隊では同じ時期に別の隊員も自殺していて、職場でのパワーハラスメントを疑った両親は警察に調査を依頼。

県警はのべ128人に聞き取り調査を行い、201512月に「パワハラと認めるほどの過酷なものはなく、自殺の原因は特定できない」と結論づけました。

 

【父・一仁さん】

「大地を死に追い込むような出来事は何もなかったのか。これだけ見せられて128人に対する聞き取りの調査の結果ですと言われても、信用できない」

 

【記者】

「真っ黒ですよね」

 

調査報告書は、ほとんどが黒塗りでした。大地さんは機動隊の先輩・A隊員に遺書を残していました。

 

「あなたの思い描いた通りになって、よかったですね」

 

A隊員は大地さんが自殺する直前、試験でカンニングをしたと問い詰め、否定する大地さんにミスの一覧表の作成を求め何度も提出させていました。大地さんの自殺後、兵庫県警が隊員に行った聞き取り調査では、A隊員によるパワハラ・いじめがあったと約40人が回答、そのうち数名は自殺の原因がA隊員だと答えました。

 

本当にパワハラはなかったのか。

 

両親は2017年、県を相手に裁判を起こします。そして14日、神戸地裁で行われた裁判で、A隊員と当時の上司が証人として出廷しました。

 

A隊員は大地さんを厳しく叱責したことは認めましたが、何度もミスを繰り返すので危機意識を持たせるためだったと主張。ミス一覧表の作成を命じたのは大地さんだけで、機動隊の中で共有しミスを認識させることで注意喚起ができると思ったと述べました。

 

ーーQ:パワハラはなかったか?

A隊員】

「…」

ーーQ:大地さんが亡くなったことについて、どう思うか?

A隊員】

「…」

 

息子の無念を晴らすため、闘い続けた6年間。ようやくA隊員の口から真実を聞く日になるはずでした。

 

【父・一仁さん】

「原稿を読んでいるようで中身も何もない、私たちに訴えることが何もない。逆にむなしい1日となりました」

 

本当にパワハラはなかったのか。結審は2022年の3月です。

 

 

 

兵庫県警機動隊員“自殺”
 遺書で名指し「A隊員」が法廷に
 誠実な説明なく…パワハラ否定

 

2021年12月14日() 18:43 読売テレビ

 

 兵庫県警機動隊員の自殺で、遺族が県警側に損害賠償を求めた裁判。「パワハラが原因」とする遺族に対し、14日、名指しされた先輩隊員が初めて、法廷に立った。(武藤将大記者の報告)

 

 「裁判は午後4時すぎに終わり、この日は午前中から、亡くなった木戸大地巡査(当時24歳)が遺書で名指ししたA隊員が証言し、午後からは木戸巡査の上司も証言したが、遺族が納得できるような説明とは程遠いものだった」

 

 「そして、木戸巡査の父親が法廷で自らの思いを述べた。父親は、通夜の日に「本人は何も話さずに旅だったので、真実を明らかにしてほしい」と県警関係者に頼んだエピソードを声を詰まらせながら明かし、真相解明を願うように裁判長に向かって頭を下げた」

 

 ーきょうのA隊員の証言から、明らかになったことはありますか?

 

「遺族側はA隊員による厳しい“指導”が、木戸巡査の自殺の原因だと主張している。きょうの裁判で、A隊員は自らの不適切な言動についてはおおむね認めたものの、なぜそういった言動が必要だったのかについては、十分な説明はなかった」

 

 「A隊員は、警察側の弁護士からの尋問には正面を見据えたまま、はっきりとした口調で「私が厳しく指導しないと機動隊が良くならないと思った」と主張した一方、その手段として一連の言動を取った目的や必要性については「わからない」などと曖昧な説明に終始した。また、A隊員は原告側の席に座っていた遺族と目を合わせることはなく、死亡した木戸巡査や遺族に対する思いを口にすることは一切なかった」

 

 ー今回の裁判の争点は何でしょうか?

 

「A隊員の“指導”の内容やその一部が不適切だったことについては、双方で大きな争いはありません。その“指導”が『パワハラ』にあたるかどうかが争点と言える」

 

 「兵庫県警側は、A隊員の言動に不適切なものが含まれていたことは認めているが、「指導の範疇で、パワハラではない」と主張している。その理由について、県警は「係属中の訴訟に関することであるため、回答は差し控える」と説明を拒んでいる。この日、裁判の後、A隊員にも直接尋ねたが、口を開くことはなかった」

 

 「今回の裁判では、警察側が情報開示をしなかったことが長期化の一因となっているにも関わらず、A隊員は「年数が経っているのでわからない」と繰り返した。はじめてA隊員の口から、直接説明を聞いた木戸巡査の父親は取材に対し、「納得感はゼロで、不信感だけが募った」と怒りをあらわにした」

 

 「兵庫県警は、組織内で失われた命と遺族の思いに誠実に向き合い、自ら真相を自ら明らかにすることが求められている」

 

 次回の裁判は3月1日で、この日に結審する予定。

 

 

 

兵庫県警機動隊員自殺訴訟 当時の上司が法廷で証言/兵庫県

 

2021年12月14日() 15:07 サンテレビ

 

6年前、兵庫県警の男性巡査が自殺したのは、上司のパワハラが原因として、遺族が県に損害賠償を求めている裁判で、上司だった男性が法廷で、「厳しく指導したのはミスをなくしてほしいという考えからだった」と述べました。

 

2015年、神戸市須磨区にある兵庫県警機動隊の独身寮で当時24歳だった木戸大地巡査が自殺を図り、その後、死亡しました。 両親は、木戸さんが上司から日常的に暴言や体罰を受けたことでうつ病を発症し、精神的に追い詰められていたとして、県に対しおよそ8000万円の損害賠償を求めて訴えを起こしました。

 

1214日に神戸地裁で開かれた証人尋問で、木戸さんの上司だった男性警察官が出廷。 男性警察官は、木戸さんに「やめてしまえ」と発言したことや、書類に不備があった部分に「ボケ、木戸」と書いた付箋を貼ったことを認めた上で、「厳しく指導すればミスが改善されると思った」と述べました。

 

兵庫県警の機動隊では、木戸さんが亡くなる直前にも、当時23歳の男性巡査が自殺していて、公務災害と認定されています。


《カウンセラー松川のコメント》

拙ブログの12月13日付け記事
「Mメンタルサポート」 ブログ出張版: 【マルキの闇】兵庫県警機動隊員の連続自殺、塗りつぶされた「真相」立ちはだかる“組織の壁”…明日14日、遂に「A隊員」が証言へ― 問い続ける遺族の6年 (mms119.blogspot.com)
これの続報です。
自殺の原因となったパワハラの加害者とされるA隊員。
本人が「パワハラの意識は無かった」と言い切れば、
これを否定するにはA隊員の他の言動を証拠にするしかありません。
しかし、特定の部下や後輩に対して、必要以上の要求や叱責を繰り返せば
第三者の判断としてパワハラの認定がされるでしょう。
兵庫県警の報告書も近年主流の肝心な部分が黒塗りとのことですが、
この点については裁判所の力で解決をして欲しいです。
しかし、相手は兵庫県警ですから改竄する可能性もあります。
ここは原告弁護人の腕の見せ所とも言えるでしょう。
警察にとって組織防衛も大切ですが、
過ちを繰り返さない為の反省が組織を向上させます。
キャリア組の保身ばかりが目立つ地方警察では、
いつか国民の信頼を得られなくなるかも知れません。
警察は官僚の為の組織ではなく、国民全体の組織です。

御遺族の皆様へ
裁判の進行は予想どおりのはずです。
どうか時間は要しますが、着実に真相究明に努めてください。
これだけ多くの報道がされているのですから、
さすがの警察寄りマスコミでも知らぬ顔は難しいでしょう。

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