会社役員から性行為「権力乱用し、所有物のように扱った」
...東京高裁で判決 不当解雇も認定
2022年2月10日(木) 18:49 東京新聞
会社の役員から望まない性行為や意に沿わない関係を続けさせられた上に解雇されたとして、元従業員の女性=被害当時30代=が会社と役員に損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決が10日、東京高裁であった。定塚誠裁判長は、役員と女性は交際関係にあったなどとした一審横浜地裁川崎支部の判決を変更し、「地位や権力を乱用し、心理的に反抗できない立場にある控訴人に対し性行為を行い、所有物のように扱った」とした。会社と役員に対し、慰謝料400万円の支払いや不当解雇にあたるとし、未払い賃金の支払いなどを命じた。
◆「嫌がる控訴人に対し、性行為を繰り返した」
被告は、映画・CMの特殊撮影などを手掛ける有限会社ローカスト(川崎市多摩区)と同社代表取締役の息子で役員の男性。判決によると、女性は2014年に正社員として入社し経理部で事務を担当。同年8月に酒で意識がない状態で被告役員に性的暴行され、その後も役員から解雇をほのめかされ、2年近く酒席への同席や性行為など望まない関係を強要された上に17年、役員に一方的に解雇されたなどと主張していた。被告側は、解雇はしておらず女性が自己の判断で出社していないと主張。役員と女性は交際関係にあったとし、性行為に強要はなかったとしていた。
定塚裁判長は、判決理由で「控訴人がようやく得た正規職員の職を解雇されかねないことを強くおそれていることに乗じ、嫌がる控訴人に対し、性行為を繰り返した」と指摘した。
一審判決は「死んでください」などとLINEで被告役員が女性に送った内容については30万円の損害賠償の支払いを命じたが、性行為の強要や会社側の責任は認めなかった。
◆原告「安心感得られた」、被告側は反論
判決後、女性は取材に応じ「他の被害者を増やしたくない思いで控訴した。この判決で安心感が得られた」と話した。ローカストの代表取締役は「変な判決だと感じる。女性が証言していることはほとんどうそ」と話した。
※ 2022.2/13 他社のニュースも追加掲載致します
上司に性行為を強要され、その後一方的に解雇
…高裁が性的暴行・解雇無効認定
2022年2月13日(日) 10:20 読売新聞
上司に性行為を強要され、その後一方的に解雇されたとして、川崎市の40歳代女性が同市の映像関連会社と取締役の男性に対し、慰謝料500万円と未払い賃金などの支払いを求めた訴訟の控訴審判決が東京高裁(定塚誠裁判長)であった。高裁は1審・横浜地裁川崎支部の判決で認定されなかった性的暴行や解雇の無効を認め、会社と男性に慰謝料400万円と未払い賃金などの支払いを命じた。
10日の高裁判決によると、女性は2014年8月、会社の飲み会で強引に酒を勧められて記憶を失い、男性宅で性的暴行を受けた。女性は解雇を恐れてその後の性行為も拒否できなかったが、男性は17年2月、「辞表を書こうか」などと言って会社の私物を片付けるよう迫り、女性は3月6日以降、出社しなかった。
1審判決では男性に解雇の権限があるとの証拠はなく、14年の性的暴行は「消滅時効が成立した」として、訴えのほとんどを退けた。しかし東京高裁は、社長の次男でもある男性が「権限を有していたと認めるのが相当」とした。性的暴行なども、14年8月以降は「一連のものとして捉えるべきだ」として、消滅時効と判断する必要がないとした。
会社と男性は、女性とは交際していて互いに承諾があり、解雇についても、女性が無断で出社しなくなったと主張していた。
《カウンセラー松川のコメント》
セクハラとのひと言で片づけて良い事案ではありません。
雇用継続を持ち出して従業員を劣情の捌け口としていた経営者の卑劣な事案です。
ところが、被告が全面的に否認しているので、現状では断定は出来ません。
しかし、原告の証拠が採用されれば、これで被告の行為は認定されます。
それにしても、どうして民事だけで争うのでしょう。
これだけ卑怯な行為は刑事罰を科せられて当然だと思います。
【2022.2/13 追記】
被告も原告と交際していたと主張するなら、その時の記録類や
「辞表を書こうか」と退職を迫った行為が無かった事を示す証拠があれば
裁判を優利に進められるでしょう。
この辺り被告の単なる言い訳なのか、事実に基づいているか気になります。
被害者の方へ
一審、二審とよく頑張りました。
判決が確定するまで時間を要しますし、被告は全面的に否定してますから、
もう暫くは法廷闘争が続くことを覚悟してくださいませ。
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