東海学園大大学院 教授が学生に暴言など 賠償命じる判決
2025年6月12日(木) 17:10 NHK
大学院の教授から「おまえは猿だ」と言われるなどのハラスメントを受けたと元大学院生が訴えた裁判で、名古屋高等裁判所は「指導の範囲を逸脱し人格や尊厳を傷つけた」として教授と学校法人に慰謝料などの支払いを命じ、判決が確定しました。
学校法人は「教授を処分する予定だ」としています。
判決などによりますと、愛知県にある東海学園大学大学院の大学院生だった26歳の男性は、3年前、ゼミの指導教員だった男性教授から、欠席の連絡などについて叱責され、「おまえは猿だよ。人間らしいことやってみろ」と言われて、こぼしたコーヒーを拭かせるなどのハラスメントを受けたということです。
男性は通学できなくなり、抑うつ状態と診断され、教授と学校法人におよそ580万円の賠償を求めていました。
ことし4月、名古屋高等裁判所の片田信宏裁判長は「学生に対する指導の範囲を逸脱していて、人格や尊厳を傷つける侮辱的な言動も含まれる。学校法人のハラスメント防止の措置も十分だったとはいえない」と指摘し、1審に続いて、教授と学校法人にあわせて140万円の賠償を命じました。
判決は先月確定したということです。
学校法人は「あってはならないことで、重く受けとめている」と話し、教授を処分する予定だとしています。
【証拠として提出された音声データ】
裁判に証拠として提出された音声データには、教授が男性を叱責していたとされる音声が残されていました。
音声には「一々口答えすんな。頭来るな、いらいらするな。おまえのことを一日中、一週間中考えてるわけじゃないんだよ」とか、「君、おばかさんだもん。残念なことに、君は。君はばかなんだ」という発言があります。
また、こぼしたコーヒーを拭かせたとされるやりとりでは「おまえは猿だよ。人間らしいことやってみろ。それ拭け」などという発言がありました。
【原告と弁護士の話】
男性は「心の傷は癒えず、いまも人に会うのが怖い。影響力のある立場の人は、自分の言動が人の人生にどのような影響を与えるかを考えて言動には慎重であってほしい」とコメントしています。
また、原告側の松川知弘弁護士は「学生も一人の人間であるという当たり前の事実を教育者は再認識すべきだ」としています。
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院生に「サル」、教授に賠償命令 東海学園大、運営法人にも
2025年6月12日(木) 19:47 共同通信
東海学園大大学院(愛知県)に通っていた名古屋市の男性(26)が、副学長だった男性教授(60)から「おまえはサル」などの暴言を含む叱責を受けて抑うつ状態になったとして、損害賠償を求める訴訟を起こし、教授と運営法人に計140万円の支払いを命じる判決が出ていたことが12日、分かった。昨年10月の一審名古屋地裁と今年4月の二審名古屋高裁の判決はいずれも不法行為を認め、5月22日に確定した。
一、二審判決によると、教授は2022年5月、男性がゼミを欠席した際の連絡を巡り「君はばかなんだ」と叱責。自身がこぼしたコーヒーを「おまえはサルだよ。人間らしいことやってみろ」と言って拭かせるなどした。
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