2021年6月6日日曜日

「セクハラヤジ」から7年 女性議員が増えた東京都議会に残る障壁

「セクハラヤジ」から7
 女性議員が増えた東京都議会に残る障壁

 

2021年6月6日() 18:04 毎日新聞

 

 あの日、東京都議会の本会議場では自分の声が聞こえないほどのヤジが飛んでいた。「早く結婚した方がいいんじゃないか」。塩村文夏さん(42)=現・参院議員=は都議に初当選した後の20146月、不妊治療などに関する質問中に自民党都議から女性を嘲笑する暴言を浴びた。この「セクハラヤジ」を巡り、都議会は日本中から批判された。

 

 その頃、自民は圧倒的な影響力を持つ最大会派だった。多数派だから許されるという雰囲気があったのではないか――。塩村さんはそう振り返る。問題の都議がヤジを認めて謝罪し、幕引きとなったものの、塩村さんは「女性差別、ジェンダーの視点からすると大きな出来事だった」と語る。

 

 都議会への女性参加はどうなっているのだろうか。都議選ごとの女性の当選人数は、09年が24人(189%)、13年が25人(197%)。17年は「都民ファーストの会」の女性候補が全員当選したこともあり、36人(283%)に増え、都道府県議会で女性比率がトップになった。

 

 「ずいぶん変わったと思う。ああいうヤジも表立ってはなくなった」。3歳の長男を育てる都民フの後藤奈美都議(34)の感想だ。

 

 後藤さんは初当選した4年前、妊娠6カ月だった。当時、都議会に産休という考えは薄く、出産で休めば病欠扱い。これには会派から問題視する声が上がり、出産や介護などでの欠席を認めるよう議会規則が変更された。議員活動の中では子育てと仕事を両立する大変さも身にしみた。その感覚を待機児童対策などに生かしたという。後藤さんは「女性やマイノリティーが抱える問題に光が当たらなすぎた。議会にも多様性が必要だ」と感じている。

 

 ただし、都議会に女性を蔑視する雰囲気がなくなったわけではない。「女はいいよな。あんまり仕事をしなくていいから」。ある女性都議は同僚男性からそう言われたと明かす。最多7期のベテラン、共産党の大山とも子都議(65)は「男尊女卑がまかり通った男社会で生きてきた人は、よほど自覚して意識を変えないと、ジェンダー平等の考えになれない」と話す。

 

 制度面の課題も残る。午後1時開会が慣例の都議会本会議は深夜まで長引くこともあり、子育て中の議員は子どもの預け先を見つけるのに苦労する。しかし、開催時刻を午前中に変えることには一部に反対意見があり、実現できていない。

 

 複数の女性都議が「難しい」と口をそろえるのは、地域での活動だ。年末には500回以上も忘年会に顔を出す議員もいるが、女性都議からは「出たい気持ちはあっても子どもが犠牲になる」「体力的に本当にハードだ」との声が漏れる。酒が入った男性有権者から「票を入れたんだから愛想良くしろ」とセクハラを受けることもあるという。

 

 上智大法学部の三浦まり教授(政治学)は、祭りや飲み会だけでなく、候補者同士が政策を議論するイベントなどで有権者の関心を高めて投票率が上がれば、議員も多様化していくと指摘する。その上で「今は男性議員にも多様性がない。女性にとって障壁になっているものを取り除けば、さまざまな人が働きやすくなる。民主主義にとって重要なことだ」と話している。 


《カウンセラー松川のコメント》

議員は有権者の代理として議会に参加するのですから、
多くの有権者が休む時に議員活動を休むことは許されても
産休育休介護休生理休と労働者と同権は無理だと思います。
休むのならば代理を立てるのが筋ですし、
現実として代理は立てられませんから
そこは諦めて貰うしかないと思います。
だからこそ、高額な報酬が出ているのです。
労働者と同じ権利を主張したいならば、労働者になれば良いだけ。
とても簡単な事です。
労働者には労働者の、議員には議員の権利と義務があります。
4年間任期で産休育休で1年半を費やしたら、
任期中の37.5%も休んでいる事になるのです。
確かに性差はあるでしょうけど、
議員に性別を求めていない以上は性差云々も無いです。
議員になると言うのは、それだけの覚悟も必要なのです。
でも、セクハラに対しては声を大にして良いと思います。
それは人としての権利の保護と主張だからです。

2 件のコメント:

  1. どれだけ男女平等が騒がれても、身体のつくりは変わりませんからね。(最近は一部手術というのもありますが)基本的に女性という性別の身体であるからこそ妊娠出産ができます。ゆえに子育ても女性が主に携わることになります。どうしても子育てに困るなら生まないという選択肢もあります。
    出生率が下がると年金財政が・・・とか言われますけどね。
    「早くこどもつくれ」とか「生まないのか」とか「一人しかいないの?」とか「なんで?」とかいらん心配を受けることもありますよね。 
    権利だけを主張するのではなく、自分の選択することならば、そのためにどうするのか。きちんと考え、覚悟をもって決断すべきですね。
    セクハラもパワハラもハラスメントはいけませんが、根本的に「自分がされて嫌なことは相手にしない」これです。 ん?セクハラされたい人がいたりするのかしら・・・?

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    1. 先にお答えしておきますと
      セクハラされたい人が居ないとは限りません。
      「セクハラされた」と騒ぎたい、
      当たり屋の様な人が居るかも知れませんので。

      そんな特異事例を除けば、
      セクハラとは[性的に嫌悪感を抱く行為」ですから
      好んで嫌な事をされる人は居ないはずです。

      さて、本題に入るとします。
      [区別と差別を混同している]
      これが現状だと感じております。
      そして、混同している人達は
      [悪平等を求めている]
      とも感じております。

      風呂や更衣室等を男女別にする事や
      生理休暇や出産休暇と育児休暇を設けるのは
      [区別]だと思います。
      逆にこれらを認めないのが[差別]でしょう。

      しかし、性差を無くす事は基本的に出来ませんが、
      「性差だから」で何でも許される訳ではない事も
      理解して欲しいです。

      代理を立てる事が許されるならば
      性差による休みも法律の範囲内で認めるべきですが
      現実問題として一人親方の仕事をしていたら
      各種休暇なんてありません。
      そこにあるのは[休業]です。
      請け負っている仕事ならば、
      [休みの期間は果たせていない]と言えます。
      勿論、期限まで結果さえ出せば済む仕事ならば別です。
      実際にはそんな仕事は少ないと思います。

      よって、代理を許されない仕事をする以上は
      女性でも男性でも、その覚悟は必要です。

      ある自衛隊高級幹部だった方が
      故郷に残す親兄弟に発した言葉ですが
      「これからは何時でも帰れる立場ではなくなるので、
      死に目にも会いに戻れないと思って欲しい」
      私も責任者の覚悟として正しいと確信しております。

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