2021年6月25日金曜日

陸自隊員自殺、公務災害認定 遺族「パワハラ原因」と提訴

陸自隊員自殺、公務災害認定 遺族「パワハラ原因」と提訴

 

2021年6月25日() 19:35 毎日新聞(栗栖由喜)

 

 陸上自衛隊西部方面隊(熊本市)の男性陸士長(当時22歳)が2015年、長崎県内の教育隊へ派遣中に教官から暴行を受け、その後に自殺していたことが遺族側代理人への取材で分かった。男性を巡っては、業務が原因で適応障害になり自殺したとして公務災害と認定されている。男性の両親は、教官からのパワーハラスメントが自殺の原因として、国と教官2人に計約8100万円の損害賠償を求める訴えを熊本地裁に起こした。

 

 男性は高校卒業後に西部方面隊に入隊し、15101日から教育隊に派遣された。訴状によると、男性は業務で教官室を訪れた際に理由もなく門前払いされた他、約100人の隊員の前で教官から繰り返し説教をされたり、胸ぐらをつかまれて「殺してやりたい」と言われたりしたなどとしている。

 

 男性は同7日、官舎で遺書を残して自殺。陸自は174月、指導中に男性を暴行したなどとして教官2人を停職処分にした。遺族は188月に公務災害認定を受け、197月に賠償を求め提訴した。

 

 男性の両親は「教官の心ない言動や態度が息子を死に追いやった」と訴えている。西部方面総監部は取材に「係争中のためコメントを控える」と答えた。



※ 別途詳細な報道もありましたので掲載致します

陸自宿舎で隊員自殺 「パワハラ原因」遺族が教官ら訴え 熊本地裁

 

20210625 08:00(金 熊本日日新聞(熊川果穂)

 

 陸上自衛隊西部方面隊に所属していた男性陸士長=当時(22)=が2015年、長崎県内の教育部隊の宿舎で自殺し、「適応障害に起因する死亡」として公務災害に認定されていたことが24日、分かった。県内に住む遺族は19年7月、部隊の教官によるパワハラが原因として熊本地裁に提訴し、国と教官2人に約8101万円の損害賠償を求めている。

 

 訴状によると、男性は三等陸曹への昇進試験に合格し、15年10月1日に教育部隊に入校したが、直後から教官2人がパワハラを繰り返したという。「伝令」で教官部屋を訪ねた男性を理由なく門前払いしながら、約100人の隊員の前で「伝令ができない」と何度も男性を説教。入室の仕方が悪いとして「殺してやりたい」などの発言もあったという。

 

 男性は10月7日、遺書を残して宿舎のトイレで自殺。陸自はその後、指導中に男性の胸ぐらをつかむ暴行を加えたなどとして、教官2人を停職6~10日の懲戒処分とした。男性の自殺は18年8月、公務災害に認定された。

 

 遺族側は「執拗[しつよう]かつ陰湿な嫌がらせで適応障害に陥り、自殺に至った」と主張。両親は「自衛官として将来に期待していたのにつらい。息子の無念を晴らしたい」と訴える。

 

 被告側は請求棄却を求めて争っており、「男性の自殺は予見できず、過失はなかった」としている。西部方面総監部広報室は「係争中なのでコメントは控える」としている。


《カウンセラー松川のコメント》

物事には因果関係と言うものがあります。
教官のパワハラは何に起因したものなのでしょうか?
士長から三曹への昇進。
それは軍隊で言えば”兵”から”下士官”と言う、
大きなステップを登ったのです。
戦いながらも小さな部隊を指揮する立場になるので、
それ相応の教育が必要です。
その教育を受ける為に前途洋々の若者を死へ追い詰める。
理由も無く行ったとすれば、
それは精神異常者以外の何者でもありません。
しかし、例え理由があったとしても、
教官たる者ならば、導き諭すのが使命ではないでしょうか?
その行為への懲戒処分が数日の停職で済んでいた事にも驚かされました。
自殺まで追い込んだ者や組織からは
「自殺するとは思わなかった」
これが言い訳の定番です。
自殺する事を前提に追い込んでいたら、それは未必の故意による殺人です。
どこかに「死んでも構わないや」と他人事の感覚も有ったかも知れません。
[自衛隊は生命を大切にする機関]と聞き及んでますが、
学びに来ている者に対して「殺してやりたい」と発言出来る者が
本当に生命の大切さを理解出来ているのか甚だ疑問です。

御遺族の方へ
被告は自衛隊。即ち日本政府です。
相手としては巨大で強力です。
裁判を有利に進めるのは難しいかも知れませんが、
正義を信じて闘い抜いてください。
それが同様の事案を防止する一つの手段になりますから。

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