2021年6月9日水曜日

「SOGIハラ訴訟」同性パートナーとの扶養関係問う

SOGIハラ訴訟」同性パートナーとの扶養関係問う

 

2021年6月9日() 21:51 朝日新聞(川村さくら)

 

 戸籍上で同性のパートナーとの内縁関係を認めず、扶養手当などを支給しなかったのは憲法が保障する「法の下の平等」に反するとして、元北海道職員が9日、道と地方職員共済組合を相手取り、手当相当額など約483万円の損害賠償を求めて札幌地裁に提訴した。弁護団によると、同性間の扶養関係が認められるかを問う訴訟は全国初という。


 提訴したのは札幌市の社会福祉士、佐々木カヲルさん(51)。戸籍上は女性だが、自身の性について「男ではなく女ともいえない」と自認する。同性パートナーと同居し、自身の住民票に編入させている。


 訴状などによると、道や共済組合の基準では、内縁関係の相手も扶養親族に含まれ、手当の支給対象となる。佐々木さんは道職員だった201819年、主婦をしていたパートナーについて、扶養手当の支給や寒冷地手当の増額を道や組合に求めたが、いずれも「同性間に内縁関係を認めることはできない」として拒否された。佐々木さんは性的指向によるハラスメントだと感じ、退職した。


 「性的少数者の中には、本来与えられるはずの権利を、はじめからあきらめている人が多くいる。私は『ふつう』を求めて闘いたい」


 提訴後の会見にのぞんだ佐々木さんは、はっきりとした口調で訴えた。


 佐々木さんは、札幌市のパートナーシップ宣誓制度を利用したり、本籍地を同一にしたりして、夫婦としての実態を対外的に表明することに努めた。扶養関係が認められず、共済保険に入れなかったため、パートナーの国民健康保険料を佐々木さんが払ったという。佐々木さんは今回の請求に、本来であれば払わないで済んだ保険料の額も含めた。


 道は「職員間の公平性の確保」などを理由に手当の支給を拒否した。これに対し、佐々木さんは「私たちを公平に扱わないことが、他の職員にとっての公平なのか。私たちの公平はどこに行くのか」と訴える。

 佐々木さんは、性的指向と性自認を示す「SOGI(ソジ)」へのハラスメント(嫌がらせ)を知ってもらいたいと、今回の裁判を「元道職員SOGIハラ訴訟」と名づけた。「SOGIは、すべての人に関係する言葉。性的少数者の問題だと他人事にせず、人権問題としてとらえてほしい」


 佐々木さんにとって朗報もある。今年3月、同性どうしの結婚が認められないのは違憲だとして、道内の同性カップル3組が国に損害賠償を求めた訴訟で、札幌地裁は、同性婚を認めない民法や戸籍法の規定が憲法14条に違反するとの初判断を示した。


 弁護団は「内縁相手が同性であっても異性であっても、扶養にかかる費用や補償の必要性は変わらず、道や共済組合の決定は、真にやむをえない区別ではなく、不当な取り扱いだ」と訴えている。 

 ◇

 「SOGI」とは、どの性を好きになるかを表す「性的指向(Sexual Orientation)」と、自分の性別をどう考えるかを表す「性自認(Gender Identity)」の頭文字を取った言葉だ。


 性的少数者に限らず、あらゆる人に当てはまる考え方。国連などの国際機関に加え、日本国内でも使用が増えている。


 「なくそう!SOGIハラ 実行委員会」代表の松中権(ごん)さんによると、「SOGIハラ」には、SOGIに関する差別的言動や、SOGIを理由とした職場での異動や解雇などが挙げられる。他者から勝手に暴露される「アウティング」なども含まれる。

 

 <同性婚訴訟・札幌地裁判決> 317日の判決で、武部知子裁判長は「法の下の平等」を定めた憲法14条違反を認定した理由について、「性的指向など人の意思によって選択・変更できないものに基づく区別は、真にやむを得ない区別であるかによって、その合理性を慎重に検討されなくてはならない」とした。


《カウンセラー松川のコメント》

御自分の意見に反する思想を[〇〇ハラスメント]と声高に叫ぶ
そんな風潮が散見される様になりました。
私自身は同性愛者に対して差別をする気は毛頭ありません。
しかし、現行の法律では異性同士の婚姻のみが認められているので、
内縁にあっても異性同士であるとの見解が支配的であり、
私もそのとおりだと確信しております。
同性婚や同性内縁を認めないのを[嫌がらせ]だと訴えるのは
あまりにも短絡的であり、
この様な過激な運動は逆に同性愛や同性婚に対し
嫌悪感を抱かせるだけだと思います。

2 件のコメント:

  1. この場合をハラスメントと言ってしまうのは、ちょっと違うように私も感じます。 しかも嫌がらせではありませんね。 同性愛はそのような方々もいらっしゃるし、認めて欲しい気持ちは十分理解できますが、扶養手当てとなるとね。 認めてもらうための法の改正が更に進むならば、いつかはあり得るのかもしれませんが。

    言ったもん勝ち的なハラスメントのひとり歩きは困りますね。

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    1. 自分達の主張を認められないからハラスメント。
      それならばこの世はハラスメントだらけです。

      あの会社はうちに仕事を回してくれないから、
      [下請けハラスメント]
      あの議員は私の請願を実現してくれないから、
      [有権者ハラスメント]
      ただ住んでいるだけなのに路線価を上げるから、
      [土地課税ハラスメント]
      バカバカしいにも程があります。

      「同性で同棲しているから内縁関係と認めろ」
      は無理筋です。
      先ずは同性婚を法的に認めてからの話しだと思います。

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