2021年6月9日水曜日

「女性が自由にものを言えるように」 男性議員の意識に変化? 共同参画に関心高まる一方、クオータ制への道は遠く

「女性が自由にものを言えるように」 男性議員の意識に変化?
 共同参画に関心高まる一方、クオータ制への道は遠く

 

2021年6月9日() 21:00 南日本新聞

 

〈政治 平等ですか? 鹿児島〉

 

 出水市野田支所と高尾野支所の開所を祝うテープカットの写真が市の広報誌(1月号)の表紙を飾った。はさみを手に並ぶ13人は全員男性。鶴田悌次郎市議(78)の元に「女性が一人もいない」と女性の市民から意見が寄せられた。


 鶴田議員は定例3月市議会の一般質問でこの件を取り上げた。当局に理由をただした上で「私自身が反省している。指摘されるまで全く違和感がなかった」と吐露した。


 女性の管理職登用などを進めているとの答弁に「(社会進出などを)抑えられてきた女性は男性が気付かないところに違和感を持つ。女性が自由にものを言えるようにするべきだ」と強調した。


■減る不快感 

 湧水町の久留須修議員(68)は約20年前、性別に関係なく活躍できる環境をつくろうと、男女共同参画の勉強会開催などに奔走。「社会的性差(ジェンダー)を考える意識改革につながった」と振り返る。


 同町議会では2009年4月、県内初の女性議長に森山マスミ議員(73)が就任。通算3期6年務めた。「当初は『女のくせに』と言われ嫌な思いをしたが、3期目が終わる頃には不快な思いをすることが減ってきた」


 南日本新聞が県内全ての女性議員77人(2月時点で議員だった元職を含む)に行ったセクハラなどに関するアンケートでも、周囲の変化をうかがわせる声が寄せられた。


 ある議員は初当選時、男性議員から「議を言うおなご」と言われていた。数年後には「ピカイチ議員」と評価されていると伝え聞いたという。


 「同僚も当局も男女平等への理解がこの10年で進んだ」といちき串木野市の東育代議員(72)。柳誠子県議(60)も「男女共同参画について質問する男性議員がここ数年増えた」と感じる。

 

■「逆差別」批判

 アンケートでは女性議員を増やすことや、議席や立候補者など一定数を女性に割り当てる「クオータ制」導入の賛否も尋ねた。女性議員増に「賛成」が9割を超え、「反対」はゼロ。導入を巡っては「賛成」が5割、「どちらでもない」4割、「反対」3人だった。


 ただ女性登用を強調すれば、「げたを履かせるのか」「逆差別ではないか」といった批判も男性の一部から出がちだ。


 「資質を求められるのは男女一緒。人口の半分以上を占める女性の議員がなかなか増えない」。こう嘆くのは、「女性議員を100人にする会」代表で南さつま市の平神純子議員(64)だ。「クオータ制の導入まで待てない。女性が奮起して候補者を増やし、周囲も支えなければ」と訴える。


 前日置市議の田畑純二さん(76)はクオータ制を理想とし、議会で女性登用問題を取り上げてきた。「いくら平等意識が浸透してきたとはいえ、クオータ制を受け入れるほど住民や議員の意識は高くない」とみる。「行政も地域も女性が積極的に議論に参加できる場や雰囲気をつくることが大事」と力を込めた。


《カウンセラー松川のコメント》

議員のクオータ制には反対です。
女性の立候補や議員がセクハラに遭うのは、
加害者が悪いのは間違いありません。
しかし、有権者が挙って女性差別をしている訳でも、
セクハラ加害者や容認者になっている訳でもありません。
選挙とは有権者が自由に選べる事が大原則であり、
また自由平等に立候補出来る事も大原則なのです。
それを女性を一定の人数にすると言う事は
選挙の原則を曲げる訳です。
アメリカでは黒人差別を撤廃する一環として
大学の合格者の枠に黒人専用枠を設けました。
これにより一定数の黒人が大学進学を可能となりましたが、
後年になって入試成績の悪い黒人が専用枠で入学出来るのに
それよりも高い成績の白人が入学出来ないのは変ではないか?
と、問題提起され、これが所謂[逆差別]となったのです。
差別撤廃の為に本人の能力が無視されるのでは、
真の平等とは言えません。
だから、私は議員のクオータ制に反対なのです。

2 件のコメント:

  1. 男尊女卑の意識はまだまだ根強いですから、簡単にはなくならないでしょう。
    しかしクオータの必要はないです。意味わかりません。女性なら誰でも良いということになってしまいます。しかし、テープカットに女性がいないことがおかしいでしょうか?男性だけでも、むしろ女性だけでも、根拠に基づき選ばれたならなんら問題はないはずです。
    人は性別でなく、人として選ぶはずが、男女平等とか言ってるうちに性別だけが重視されたのかしらね? あぁ、セクハラしたいからかな?(笑) まぁ、笑いごとではありませんが、そんな判断すらできない見る目ももてない人達にはがっかりですね。

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    1. 近年の風潮として、人口比でほぼ同数での男女平等なら
      どの様な役職でも男女同数であるべきと言う。
      数字のマジックの様な平等論が罷り通り始めてます。

      恣意的に女性とか男性を外しているのは、
      場合によっては不平等かも知れませんが、
      今の風潮は[悪平等]を推進しています。
      その点からすると[共学校の男女別定員撤廃]の運動は
      理に適っていると思います。

      結局、能力の無い方々が男女平等を持ち出して
      のし上がろうとしているだけだと見ています。

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