2021年6月7日月曜日

トヨタ社員の自殺、豊田章男社長がパワハラ認め遺族に謝罪し和解

トヨタ社員の自殺、豊田章男社長がパワハラ認め遺族に謝罪し和解

 

2021年6月7日() 11:35 読売新聞

 

 2017年にトヨタ自動車の男性社員(当時28歳)が自殺したのは、上司のパワーハラスメントが原因だったとして、トヨタは7日、豊田章男社長が遺族を直接訪ねて謝罪し、遺族側と和解したことを明らかにした。和解は4月7日付。男性への安全配慮義務違反があったと認めたうえで、解決金(金額非公表)を支払った。

 

 遺族側の代理人弁護士によると、男性は東大大学院修士課程修了後の15年4月に入社した。車両設計を担当する部署に配属された16年3月以降、直属の上司から「死んだ方がいい」などと繰り返し暴言を受けるようになり、適応障害を発症。16年7月から3か月間休職した。だが、復職後もこの上司の近くの席で働くことがあり、17年10月30日、社員寮の自室で自殺した。

 

 トヨタ側は社内調査を行ったが、当初は自殺とパワハラの因果関係を否定していた。だが、19年9月に豊田労働基準監督署(愛知県豊田市)が労災を認定すると、その後に豊田社長が遺族を訪ねて因果関係を認めた。遺族には再発防止策を示し、「二度とこうしたことが起きないようにしっかり対策を取ることを約束します」などと伝えたという。

 

 遺族は代理人を通じ「パワハラは一人の人間と、まわりの人たちの人生までも狂わすものだと思います。パワハラ被害者に対する会社の対処をくれぐれも間違えることのないよう、切に願うとともに、トヨタが本当に変わったといえるのか今後も注視して参りたい」との談話を出した。

 

 トヨタは「亡くなられた従業員に心からお悔やみを申し上げる。ご遺族の思いをしっかりと受け止めて、再発防止策を進めていく」としている。

 

 

 ※ 一部詳細な記載がありましたので掲載致します

【独自】パワハラ自殺、トヨタと遺族が和解 豊田章男社長が直接謝罪

 

2021年6/7() 5:00 朝日新聞

 

 トヨタ自動車の男性社員(当時28)が2017年に自殺したのは上司のパワーハラスメント(パワハラ)が原因として労災認定されたことをめぐり、トヨタがパワハラと死亡の因果関係を認め、遺族側と和解したことがわかった。遺族側は損害賠償や再発防止を求めており、人事制度を見直すなどとしたトヨタの姿勢を評価。訴訟に至らない形での和解となった。

 

 和解は47日付。トヨタと遺族側代理人の立野嘉英(たちのよしひで)弁護士(大阪弁護士会)によると、トヨタが上司の監督責任を怠るなどの安全配慮義務違反があったと認め、解決金(金額は非公表)を支払う。トヨタの豊田章男社長は、男性社員の自殺が報道された後の1911月と和解成立時の今年4月に大阪市内で遺族と面会し、直接謝罪したという。

 

 トヨタによると、協議中だった能力重視から人間性重視への評価基準の変更を、パワハラ防止策に位置づけ、実施を前倒し。管理職以上の約1万人を対象に、上司や部下、社内外の関係者ら十数人で評価する「360度フィードバック」を昨年7月に導入し、複眼的に人間性を分析する。適性がないと判断すれば所属長などにはしない。今年度は、対象者を係長らも含めた約2万人に広げる方針だ。

 

 またパワハラを受けた際、声を上げやすいよう、どの部署にも属さない独立した相談窓口を設置。家族や同僚も相談できるほか、入り口としてネットから匿名で相談できる仕組みも整備した。相談があった場合は事実関係の調査を綿密に行う。精神科医が常駐する相談センターも設置した。

 

 社内調査などによると、男性は、東京大大学院を修了して154月に入社。翌163月に愛知県豊田市の本社で車両の設計などを担う部署に配属された。男性は直属の上司から「バカ、アホ」「こんな説明ができないなら死んだ方がいい」などと繰り返し言われた。この上司から個室に呼ばれ「発言を録音してないだろうな。携帯電話を出せ」と言われたとも相談していたという。


《カウンセラー松川のコメント》

世界的な大企業の社長がパワハラによる自殺した社員の遺族に直接詫びる。
これはセンセーショナルな対応です。
本来ならば雇用者は従業員への安全配慮義務もありますから、
不慮の事故ならともかく従業員の作為的な行為による死亡の場合は
企業としての責任を負うので、企業の最高責任者が詫びるのが当然です。
しかも、記者会見の様な場での謝罪はマスコミに対してであり、
遺族に対して報道を通じての謝罪や詫びは非礼極まりありません。
例え1,000人の死亡者があったとしても、
その死亡者ひとり一人に対し詫びるのが筋のはずです。
その点でも、豊田社長は筋を通したと言えます。
バワハラによる自殺者が発生した事態は組織として恥ずかしいですが、
その対応を社長自らが行った事により、
最終的には企業としての信頼度は高まったと思います。
代表取締役とは会社の最高責任者ですから、
この様な汚れ役も負うのが当然なのです。
他の企業や組織もこれを見習って欲しいです。
組織のトップはマスコミに登場するだけではないのです。

被害者や御遺族の方へ
最高学府を卒業されて、きっと希望する企業に就職が叶ったのだと思います。
前途も夢や希望がある社会人スタートだったのでしょう。
それが心無い輩の為に自殺にまで追い込まれてしまい
皆さん無念極まりない事だと思います。
しかし、この犠牲を機会に就職した企業が改善されれば、
それは大きな仕事をし足跡を残した事になり、
決して無駄な死ではありません。

2 件のコメント:

  1. 人にはどうしても感情というものがあります。どれほどビジネスとしてとか、人権に配慮してとか理解したとしても、必ずそこには感情が存在します。
    人対人。言葉の表現ひとつで『良いね』と感じるか『嫌だな』と感じるか、同じことでも感じ方ひとつでそこが分かれ道になってしまうのです。 語ると長くなりますのでやめておきますが、パワハラは簡単にはなくなりません。見栄やエゴ、プライドなど様々なものが必ずついてきますからね。人はそれを無くすことはないでしょう。そして益々隠したり水面下になるような気がします。せめて、相談できる相手や場所は必須です。そして寄り添ってもらえるような存在がさらに必要ですね。

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    1. パワハラやセクハラは個人の感覚の部分もありますので、
      減らす事は出来ても、無くす事は難しいでしょう。
      ただ、無くす方法が無い訳ではありません。
      それは[コミュニケーションをしない]です。
      当然、組織としては成り立たないので、
      実現性は無いです。
      引きニートになって、一人ぼっちで生きるなら別てすが、

      そうなると、ハラスメントと感じた人が
      相談出来る場所や人を用意するのが現実的でしょう。

      でも「相談窓口を設けたから終わり」では困ります。
      ・相談し易い
      ・安心して相談出来る
      ・相談した甲斐がある
      この様な窓口でなければ意味はありません。

      企業や組織としての真の相談窓口設置には
      まだまだ時間が掛かりそうです。

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