2021年6月2日水曜日

「パワハラで自殺」 遺族が提訴 「ばかやろう」と5時間叱責

「パワハラで自殺」 遺族が提訴 「ばかやろう」と5時間叱責

 

2021年6月2日() 9:12 毎日新聞(面川美栄)

 

 仙台市太白区の医療法人「翠十字」でケアマネジャーとして勤務していた男性(当時41歳)が2016年10月に自殺したのは、上司のパワハラが原因だったとして、男性の遺族が1日、同法人に約6300万円の損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こした。遺族側は、精神疾患を巡る労災の認定基準にパワハラが追加されて1年になるのに合わせて提訴したとしている。

 

 訴状によると、男性は同法人の理事長らが経営する関連会社で、水素エネルギー開発の業務も行っていた16年3月ごろから、仕事中のミスを理由に上司の部屋に何度も呼び出されるようになり、長いときは約5時間にわたり「ばかやろう」などと何度も叱責された。うつ病などと診断され、同年6月に退職。別の法人で勤務していた10月に失踪し、11月に遺体で発見された。

 

 提訴後に記者会見した男性の妻は「心が折れるほど叱責するのはパワハラ。言動がどれだけ人を傷つけているか。夫だけではないと思うので、社会に広く知ってもらいたいと提訴した」と話した。

 

 妻は17年9月、労災を申請。18年9月に仙台労基署がいったん不支給を決めたが、妻は不服を申し立てていた。昨年6月、厚生労働省が労災の認定基準を改定。これを受けて宮城労働局は不支給決定を取り消し、仙台労基署が労災認定した。

 

 同法人の代理人弁護士は「訴訟手続きにおいて、ご遺族側に当法人の主張に対する反論を求め、事実関係を解明したい」とコメントした。


《カウンセラー松川のコメント》

注目したいのは厚労省の労災認定基準の改定に伴い、
一旦は労災と認めなかった労基署が、改めて認めたことです。
遡及しての救済行為は労働者や遺族にとって僅かでも救いになると思います。
被害者の上司も5時間も叱責をしていたとのことなので、
本当にやるべき仕事が無かったのでしょうね。
それでなければ、どこかに異常を来した人物としか思えません。
この様な上司に当たるのは不幸や運の悪さ以外の何物でもありません。
勤め人ならば誰でも被害者になる可能性を秘めていると言えます。
被害者の御遺族が原告となって勤務先を被告として損害賠償を提訴。
労災が認定されているので、原告優理ではないかと思います。

御遺族の方へ
福祉の仕事から分野違いのエネルギー関連の業務まで担当させられて
それだけでもストレスは大きかったと思います。
そこへ上司の執拗なパワハラですから、心神が疲弊して当然の環境です。
その様な勤務環境を作り上げた勤務先にはしっかりと反省して貰うと共に
これ以上の被害者が出ない様に勝訴を得て欲しいと願っています。

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