2021年6月2日水曜日

「過労死」職員の遺族が福岡県を提訴へ 「夫はどんな思いで亡くなったのか」

「過労死」職員の遺族が福岡県を提訴へ
 「夫はどんな思いで亡くなったのか」

 

2021年6月2日() 9:39 西日本新聞(大坪拓也)

 

 福岡県の男性職員=当時(55)=が過重業務でうつ病を発症し、自殺したのは勤務先の安全配慮義務違反が原因として、職員の妻(59)ら遺族が福岡県立大(田川市)と同県に約8800万円の損害賠償を求める訴訟を8日にも福岡地裁に起こす。男性の自殺は2019年、労災に当たる公務災害に認められている。

 

 訴状によると、男性は144月に県立大の学務部に配属され、班長として時間割作成や入試業務に従事。図書館の関連業務なども加わり、152月中旬までの1カ月間の時間外労働は104時間に上った。この時期にうつ病を発症、同3月に学内で自殺した。

 

 遺族側は「県立大が労働環境の整備の義務を怠った結果、過重な業務に従事させ、うつ病発症と自殺に追い込んだ」と主張。同大に異動させた県にも責任があるとした。これに対し、県立大と県は訴状が届いていないことを理由に「コメントできない」としている。

 

 男性の自殺を巡っては、地方公務員災害補償基金県支部が19年、自殺は公務に起因すると認定。当初、県支部は公務災害と認めなかったが、遺族の不服申し立てを受け、有識者でつくる県支部審査会が過重業務でうつ病を発症したとして公務災害と判断、県支部の決定が覆る異例の経過をたどった。

 


「つらい状況に気付く職場環境が広く整ってほしい」

 福岡県の男性職員の自殺を巡り、県立大と県に損害賠償を求める男性の妻(59)は取材に「遺族は言葉にできないほどつらい。自死を選ぶ人やその家族が増えてほしくない」と訴えた。

 

 妻によると、男性は本庁などで勤務し、2014年に県立大に異動したが、人員が少ない中での不慣れな業務に苦しんでいた。亡くなる直前の152月、普段は温和な男性は急に怒鳴ったり、難聴を訴えたりして強い疲労感を示した。遺書では仕事の負担が増える一方、職場で助けを得づらいと嘆いていた。

 

 遺族は公務災害の認定後、県立大や県に責任を認めて謝罪するよう求めたが、拒否された。妻は「夫はどんな思いで亡くなったのか。申し訳なかったの一言がほしい」と提訴を決めた。遺書にはパワハラをうかがわせる記述もあり、事実を明らかにしたいとしている。

 

 精神疾患などによる公務災害の認定請求は19年度、全国で153件あり、15年度の16倍に増加。人員削減による業務過多などが背景という指摘もある。妻は「周囲がつらい状況に気付く職場環境が広く整ってほしい」と願う。


《カウンセラー松川のコメント》

公務災害が認定されても、その件について謝罪を求められても
担当者にしてみれば「自分の責任ではない」と思うので
謝罪なんてしないでしょうね。
民間企業と異なり官公庁は企業イメージとか不要でしょうから
損籤なんて誰も引きません。
言葉は悪いですが無責任集団に対して謝罪を求めても無駄です。
尤も選挙を控えた知事を相手にすれば別かも知れません。
兎に角、官公庁は[損して得取る]は無く[謝ったら負け]で
謝罪することで先例を作ってしまう事を恐れていますから。
同居の御家族が居らっしゃる場合は、
日頃から日常会話で仕事の様子を耳に入れておき、
超過勤務や過重労働が続いていないか分かる様にするしかありません。
普段と様子が違うと感じられたら、勤務状況とかを確かめて、
精神科や心療内科での診察を受ける様にさせてください。
本人が遠慮する様であっても、生きてなければ診察も受けられません。
家族を守るならば先ずは診察を受けさせてください。

遺族の方へ
官公庁は民間企業と異なり謝罪は最後の手段と考えてます。
御家族を亡くされた悔しさや無念さ悲しさはありますが、
謝罪をさせても、させなくても流れは変わらないでしょう。
今は謝罪させる事に注力するよりも、
被告が控訴した時の為の備えをしておく方が賢明だと思います。

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