芸能界のセクハラ訴えたら…演出家が名誉棄損で提訴
少女へのわいせつ行為で実刑、舞台復帰の反対運動で
2021年11月5日(金) 23:17 東京新聞
「演劇・映画・芸能界のセクハラ・パワハラをなくす会」代表の俳優知乃さんらが5日、東京都内で記者会見し、セクハラ被害防止の活動を巡り、名誉毀損を理由に慰謝料500万円などを求めて提訴されたと明らかにした。同会は「内容や金額に照らしても、ハラスメントをなくそうとする活動への不当な攻撃だ」と主張している。
同会は、講師を務めたワークショップの受講者の少女にわいせつな行為をしたとして、2013年に児童福祉法違反容疑で逮捕され、懲役2年の実刑判決を受けた男性演出家が出所後の18年、再び舞台の演出や主演に起用されると知り、短文投稿サイト「ツイッター」への書き込みや署名集めを通じて、反対運動を展開した。
公演は中止になったが、キャスティングを餌にわいせつ行為をしたというツイッターの投稿などは事実誤認だとして、演出家は今年9月、知乃さんらを相手取り、投稿の削除や慰謝料を求めて提訴した。
知乃さんは会見で「署名運動などは、悪意や個人攻撃ではなく、業界全体を良くしたいとの思いから。贖罪を考えたら同じ場所に戻ってこられるのか。考え直してほしい」と話した。
同席した馬奈木厳太郎弁護士は「萎縮効果を狙ったスラップ訴訟だ」と話した。
演出家はメールで「現時点では特に申し上げることはない」とコメントした。
《カウンセラー松川のコメント》
ニュースの見出しだけで事案内容を推測すると誤解を生むので要注意です。
ハラスメント事案の様に受け取れますが、
直接的なハラスメント事案ではありません。
ところで、更生保護の観点から、過去の犯罪事実を公開して、
元受刑者の社会復帰を阻んでいる点では非常に問題があります。
確かに、性犯罪の再犯の高さについて問題視されているのは事実です。
キャスティングを餌にセクハラや猥褻行為をするのは断じて許されません。
そして「贖罪を考えたら同じ場所に戻ってこられるのか」
この考えも理解は出来ます。
しかしながら、同じ業界に戻るかどうかは本人が決めることであり、
またそれを業界として受け入れているならば、
元受刑者を責める権利は第三者には無いです。
演出や主演に起用した側に「この者は性犯罪者だ」と告げても
方法によっては名誉毀損に成りかねないのを、
SNSで公然と指摘したならば、業務を妨害されているのですから、
損害賠償請求されて当然でしょう。
この様な提訴を[スラップ訴訟]で片付けるのは余りにも強引過ぎます。
何でも「ハラスメントだ」と声を挙げれば良い訳ではありません。
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