野球部員に「殺すぞ」、叱責した生徒は自殺
…元監督への停職処分は9年後
2021年11月20日(土) 6:30 読売新聞
岡山県立岡山操山高校(岡山市中区)の野球部マネジャーだった男子生徒(当時16歳)が自殺した問題で、県教育委員会は19日、監督だった男性教諭(45)のハラスメントが原因として、停職3か月の懲戒処分にしたと発表した。
県教委によると、男性教諭は男子生徒ら部員に「殺すぞ」と発言したり、パイプ椅子を振り上げたりするなどしていた。2012年7月には男子生徒を1人グラウンドに残し、強い口調で叱責(しっせき)。男子生徒はこの直後に自殺した。男性教諭は「反省している」と述べているという。
学校と県教委は当初、男性教諭の言動と自殺との関係を認めていなかった。しかし、遺族の求めで県などが設置した第三者委員会が今年3月、「ハラスメントが原因」とする報告書を公表。県教委の対応の遅れも指摘した。
県教委は男性教諭のほか、当時の野球部部長ら3人と、県教委の幹部ら4人を厳重注意処分などとした。一方、当時の校長らは、退職しており責任を問えないとした。処分を受け、男子生徒の父親は「処分の軽さに驚いている。理由について詳しい説明を求めたい」とのコメントを出した。
あまりに遅い処分、県教委は遺族の心踏みにじる
県立岡山操山高の男子生徒の自殺問題は、関係者の処分に至ったが、ここまで9年も要したのは、あまりに遅すぎた。
学校や県教育委員会は当初、指導と自殺の因果関係は不明としていたが、3月に公表された第三者委員会の報告書を受けて初めて原因と認めた。県教委は「組織としての保身があった」と釈明したが、時間の経過から当時の校長ら管理職は退職してしまい、処分に至らなかった。また、自殺の原因となった教諭も処分を棚上げされ、けじめの機会が訪れなかった。県教委は「保身」により、組織の信頼を傷つけ続けた。
何より、後手に回った県教委の対応は、遺族の心情を踏みにじるものだった。遺族は対応などの遅れについて具体的な説明がない限り、県教委からの謝罪は受け入れない意向を示している。問題と正しく向き合わない限り、本質的な再発防止にならないとの考えからだ。
処分は手続きの一つに過ぎず、問題の終わりではない。本来、県教委が守るべきは何だったのか――。説明が求められる課題が山積している。
《カウンセラー松川のコメント》
部活の監督でもあった教諭の言動と自殺した部員の因果関係の有無。
自殺までの行動等を時系列に整理すれば、
トリガーとなったかは別としても、
監督の言動を調べる契機にはなったはずです。
それを怠った為に、9年前の自殺について今更の調査結果となった訳で、
県として組織防衛の目的は果たせたので、成功例になるでしょう。
当事者で無ければ、仕事としての謝罪も案外と簡単なものです。
例え遺族から責められても、自分には何の責任も無いのですから
「こっちだって被害者だよ」的な感覚になるだけです。
加害者の教諭も「まさか叱責されたくらいで自殺するとは思わなかった」が
本音ではないでしょうか?
この9年間、加害者として自責の念に駆られていたのか、
因果関係を挙げられていなかったから気にせずに居たのでしょうか?
遺族にとっても、加害者にとっても
無駄な9年間であったことは間違いありません。
御遺族の皆様へ
自殺の原因が教諭のパワハラであったことが明らかになたのは
不幸中のに幸いだと思います。
しかし、原因解明まで9年間を要した点について、
調査遅延再発防止の為にも、
9年間の理由と再発防止策を求めて欲しいと思います。
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