2021年11月29日月曜日

「お前の骨全部折る」壮絶パワハラ告発 元自衛官“身内調査”に「我慢できない・・・」

「お前の骨全部折る」壮絶パワハラ告発
 元自衛官身内調査に「我慢できない・・・」

 

2021年11月29日() 14:45 TBS

 

■壮絶パワハラ音声「全部折るお前の骨」上官を直撃

 

ボイスレコーダーに録音された上官の声

「死ねや。殺したる。鼻の骨も頭蓋骨も折るよ。なあ、全部折る。お前の骨」

 

40分間にわたる、電話での暴言。

TBSの情報提供サイト『インサイダーズ』を通じて、上官からパワハラを受けたと告発したのは元自衛官の20代の男性だ。

 

2018年から沖縄の航空自衛隊に勤務していた。

 

パラハラ被害を受けた元自衛官の男性

「髪の毛をわしづかみにされて頭を振り回されたり、お前のアゴはなんだという理由でアゴを殴られたり」

 

閉鎖的な空間で暴力は1年以上続いた。

 

元自衛官の男性

「上司を殺して自分も自殺しようかと思ったことも何十回もありました」

 

ボイスレコーダーに録音された上官の声

「自分から依願退職して辞めるのか。それとも俺に殺されて死ぬのか。それは好きにせえ」

 

問題の上官はどう考えているのか。自宅を訪ねると、迷彩服姿の上官が出てきた。

 

記者

「後輩でいらっしゃった△△さんのことで取材に参りました。『殺すよ』とか『自衛隊を辞めろ』とか暴言も吐いていらっしゃいますけれども」

 

上官

「いえいえ、していませんよ」

 

記者

「被害者の男性に言いたいことはないですか?」

 

上官

「はい。ないです」

 

記者

「反省や後悔の念はないわけですか?」

 

上官

「何もないですね」

 

男性はパワハラ被害について別の上官に相談していた。

しかし、上官は相談に乗るどころか、被害者本人に退職を迫った。

 

相談を受けた上官

「『ストレスのない職場』とか、理想じみたことは大嫌いなんだよ。このまま変わらないんだったら辞めろ」

 

男性は今年3月、退職した。

私たちの報道を受けて、当時の岸防衛大臣は調査することを明言した。

 

■“身内の調査”に怒り「許せない」「信用できない」

 

それから2週間後、調査担当の自衛官から男性に電話がかかってきた。

公正な調査を期待した男性。しかし・・・

 

調査担当者

「確実に隊長の方からはそのような、書面等は取り交わしていないものの、そういう(示談は済んでいるという)認識でいたというのは隊長からお話を聞くことができました」

 

男性が所属していた部隊の隊長が調査に対して『今回の件は示談が済んでいる』と話しているというのだ。

男性には、そんな覚えは全くない。

 

元自衛官の男性

「事実と違うことを上級部隊に報告をあげられることは我慢できないですね。許せないですね」

「勇気を振り絞って告発したにもかかわらず、もみ消し、隠蔽をしようという働きを感じ取れるので激しい怒りがこみあげてきます」

 

“身内による調査”は信用できない

 

男性は、“同じ組織”の自衛官ではなく“第三者”による真相解明を訴えている。

 

誰からかは分からないが、深夜、無言電話がかかってくるようになった。その数は、およそ50回に上る。

 

■女性兵士の死 韓国の新対策とは

 

ハラスメントは韓国軍でも深刻な問題だ。

 

空軍の女性兵士の葬儀に訪れた、文在演大統領。

女性兵士は、今年5月、上官からセクハラを受けて自殺した。

さらに8月には、上官からのセクハラ被害を訴えていた海軍の女性兵士も亡くなった。

 

空軍の女性兵士は、別の上官に相談していた。しかし、軍側の組織的な圧力で孤立していったとされる。

 

軍人権センター キム・ヒョンナム事務局長

「被害者は問題解決のため努力しましたが、上官の保身で被害者がおかしいかのように仕立てあげられ、死に追いやられてしまった」

 

こう話すのは「軍人権センター」。

民間団体だが、軍人からの相談を受け付けている。

 

韓国の国会ではいま、さらに軍を監視するオンブズマンの設置が議論されている。

軍内部にも相談窓口はあるが、信頼されていないという。

 

軍人権センター キム・ヒョンナム事務局長

「軍が社会と断絶した組織ではなく、社会と繋がり、市民が関わって人権を保障したり監視したりする仕組みを作ることが出来れば将来軍に大きな変化が期待できるのではないかと思います」

 

■パワハラ被害をなくすために 組織内の相談窓口の実態は

 

小川彩佳キャスター:

やはり組織内の相談窓口だけでは、ハラスメント対策として不十分ということになるのでしょうか?

 

TBS調査報道ユニット 村瀬健介キャップ:

この問題をnews23で取り上げてから、自衛官やその家族から42件ものパワハラ被害を訴える情報提供があったんです。

私たちはこの方々に対してアンケート調査を行いました。▼「なぜ自衛隊内にある相談窓口を利用しなかったのか」という質問に対しては、「情報はすべて部隊の上司に伝わっている」、あるいは「相談しても上司が保身のために事実を隠蔽する」といったように、この相談窓口を信頼していないことがよくわかるコメントがたくさん寄せられました。

私たちが行ったアンケートでも、自衛隊でハラスメントについてどのような取り組みをして欲しいかという問いに対して、一番多かった答えというのが▼オンブズマンなどの外部の独立機関の創設、だったんです。

 

小川キャスター:

防衛大臣もパワハラなどを撲滅したいとしていますけれども、本当に深刻に受け止めるのであれば、外部のオンブズマン制度、ぜひ検討して頂きたいところです。


《カウンセラー松川のコメント》

自衛隊員は国土への武力を伴う侵略者への対処をする。
武力を伴う侵略者に綺麗事はありません
即ち、命がけの仕事をする訳です。
よって多少荒っぽい言動があってもやむを得ない部分があります。
だからと言って、隊内で暴力や脅しが横行するのも異常です。
この様な事案が続けば、真っ当な者は入隊せず、
社会からあぶれた者だけを収容する組織になる可能性もあります。
自衛隊にせよ、防衛省にせよ、健全な職場作りはするべきです。
そして組織内に通報窓口や相談窓口を設置しただけでは
予防でも問題解決ではありません。
きちんと機能させる為には外部や第三者との連携が必要です。

被害者の方へ
政府の組織は競争原理が働かないので、
イメージ戦略も不要です。
だから、ハラスメントの防止にも本腰を入れません。
それは当分の間は変わらないので、自浄作用も期待しない方が良いです。

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