2021年11月4日木曜日

佐川急便の39歳係長、パワハラ受け自殺…前日に同僚の前で40分以上の叱責受ける

佐川急便の39歳係長、パワハラ受け自殺
…前日に同僚の前で40分以上の叱責受ける

 

2021年11月4日() 22:00 読売新聞

 

 今年6月、佐川急便の東京都品川区の営業所で、上司からパワーハラスメントを受けていた営業係長の男性(当時39歳)が自殺していたことがわかった。遺族の代理人弁護士が4日、明らかにした。同社は営業所内で男性へのパワハラがあったことを認め、今年9月、本村正秀社長が遺族と面会して謝罪した。

 

 遺族代理人の川人博弁護士らによると、男性は6月23日朝、営業所の建物から飛び降り自殺した。同社が第三者委員会を設置して調査した結果、男性は昨年6月頃から、ノルマの達成状況について上司の課長から度々、厳しくとがめられ、亡くなる前日には、別の上司から同僚の前で40分以上にわたる叱責(しっせき)を受けていたことが判明した。

 

 今年4月には、「課長が社員を追い詰めている」と同社に内部通報があったが、この時は一部の社員にしか聞き取り調査が行われず、同社は「パワハラは確認できない」と結論付けていたという。

 

 同社は4日、「心よりお悔やみ申し上げる。会社としてパワーハラスメントの事実を認め、ご遺族に謝罪した。今回の事案を真摯(しんし)に受け止め、再発防止に取り組む」とのコメントを発表した。

 

 

 ※ 他社のニュースも掲載致します

社員がパワハラで自殺 遺族に謝罪 佐川急便

 

2021年11月4日() 20:43 時事通信

 

 佐川急便の男性社員=当時(39)=が6月下旬に、上司のパワーハラスメントなどを理由に勤務先で自殺していたことが4日、分かった。

 

 遺族の代理人弁護士が記者会見し、明らかにした。

 

 男性は東京都品川区の営業所に営業係長として勤務。ドライバーを管理する業務などを担っていた。3月に男性が担当するエリアが拡大して負担が増大していた。

 

 上司は622日、男性のミスに対し、「お前、どれだけ俺にうそをつくんだよ」などと電話で叱責。この上司は同日夕、男性を会社に呼び戻した上で、机の前に立たせた状態で40分以上非難し続けた。男性は翌23日、飛び降り自殺した。

 

 男性の自殺を受け、佐川急便は外部の法律事務所による調査を実施。9月に本村正秀社長が遺族に調査結果を報告し、謝罪した。

 

 同社は4日、「故人のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の皆さまに心よりお悔やみを申し上げる。今回の事案を真摯(しんし)に受け止め、再発防止に向け全社で取り組んでいく」とコメントした。

 

 

 

佐川急便の男性死亡、労災申請へ 「上司2人のパワハラ原因」

 

2021年11月4日() 20:11 毎日新聞

 

 物流大手の佐川急便の男性社員(当時39歳)が6月に自殺したのは、上司2人からの度重なるパワーハラスメントが原因だったと、遺族側の代理人弁護士が4日、明らかにした。遺族側は労災申請の手続きを進め、会社側に補償を要求する方針だ。

 

 東京都内で記者会見した代理人の川人博弁護士によると、自殺したのは同社の東京都内の営業所に勤務する係長で、ドライバーの管理を担当していた。20206月ごろから社員が出席する朝礼などで、課長2人から仕事上のミスに対して再三、叱責されていたという。

 

 今年4月には「(課長2人が)場所を問わず部下を大声で怒鳴りつけている」などとする匿名の内部通報があったが、会社は2人と他の課長にヒアリングしただけで、その時点でパワハラは認定されなかった。

 

 男性は今年623日に勤務先で自殺した。前日には電話で課長から「俺はうそつくやつとは一緒に仕事できねえんだよ」などと言われ、その後も課長席の前で40分以上、立たされたまま厳しい叱責を受けたという。帰宅した男性は妻に「仕事がキャパ(容量)オーバーだし、明日からどうしよう」「仕事に行きたくない」などと訴えていた。自殺直後、男性の携帯電話の検索履歴には「人間のキャパ」という検索ワードが残されていた。

 

 男性の死後、外部機関も入れて会社側が調査した結果、課長2人からのパワハラが認められ、本村正秀社長が9月、遺族に直接謝罪した。妻は弁護士を通じて「どんなに謝罪されても夫は帰ってこない。会社には、遺族や従業員に対し誠実な対応を望む」とのコメントを出した。

 

 川人弁護士は「日本を代表する大企業で、いまだに怒鳴る、威嚇する、不利益を告知して脅すといった時代錯誤の管理・指導手法が横行していたことに警鐘を鳴らす必要がある」としている。同社は「ご遺族の皆様に深くおわび申し上げるとともに、今後、誠実にご対応させていただく」とする文書を遺族に提出している。【小鍜冶孝志】

 

 

 

佐川急便でパワハラ自殺 「うそつき野郎」とメッセージ、会社は謝罪

 

2021年11月4日() 19:30 朝日新聞

 

 佐川急便の男性社員(当時39)が上司からパワハラを受け、6月に自殺したことがわかった。会社側はいったん社内調査でパワハラはないと結論づけたが、男性が亡くなった後の再調査で事実関係を認め、9月になって本村正秀社長が遺族に謝罪したという。

 

 4日、遺族側の代理人弁護士が記者会見した。代理人によると、男性は東京都内の営業所でドライバー数十人を管理する業務に就いていた。所内の課長2人が他の社員らの前で男性を厳しく非難したり、メッセージアプリで「うそつき野郎はあぶりだす」「なめ切ってるな」といった暴言、左遷をほのめかす発言などを送ったりしていた。男性は3月には1年近く続けた担当の職務も外された。

 

 2人によるパワハラを指摘する匿名の内部通報が4月にあり、社内調査が実施された。だが、部下への聞き取りもなく「パワハラに該当するような事案は確認できません」と結論づけられた。その後も休日に課長の一人が男性へメッセージを送るなどの動きを継続。男性は6月に亡くなった。

 

 男性の死亡を受け、佐川急便は改めて外部の法律事務所に調査を依頼した。法律事務所は、会社の対応について「従業員が安全に働けるように職場環境を守るという『安全配慮義務』に欠けており、適切な対応を怠った責任がある」と指摘したという。佐川急便は「パワハラが自殺につながった一因と認識している」(広報)といい、遺族に対しては「誠心誠意、対応させていただく」という。

 

 遺族代理人の川人博弁護士は、第三者による調査などには一定の評価をしつつも、男性が生前に業務過多を妻に訴えていたことに触れ、「パワハラを生む土壌には、会社全体の業務量やノルマに構造的な無理があるのではないか」と指摘した。(橋本拓樹)

 

 佐川急便の社員だった男性の遺族は4日の記者会見に出席しなかったが、代理人がコメントを紹介した。おもな内容は以下の通り。

 

●男性の妻のコメント

 

 あんなに明るくて仕事も楽しいと言っていた夫がまさかこんなことになるとは夢にも思いませんでした。どんなに辛(つら)かっただろうと、最期の気持ちを思うと本当に悲しくて立ち直ることはできません。

 

 どんなに謝罪されてももう夫は帰ってきません。会社へは私たち遺族や従業員に対して誠実な対応を望みます。

 

 もう二度とこのようなことがないように、今回のことを決して風化させないで欲しいです。

 

●男性の両親のコメント

 

 今回のうちの息子に起きた事は、執拗(しつよう)なパワハラで息子を死に追い詰めた非道な事件と言っても過言ではありません。

 

 加害者は最悪の結果になったにもかかわらず果たして罪として自覚しているのでしょうか?

 

 佐川急便では、以前にも同様の事例が有ったと聞いています。それにもかかわらず再発防止に最善を尽くして来たのでしょうか?甚だ疑問です。全く教訓として活(い)かされてないですね。

 

 親にとって突然の別れでした。眼は閉じて身体は動かず冷たく、頭から血を流した息子と対面したのです。何が何だか混乱して全く分からず呆然(ぼうぜん)、ただ死を受け止められず、現実に直面した今でも引きずって涙する毎日を過ごしています。

 

 時が解決してくれる、そういう日が訪れるのでしょうか・・

 

 大学を卒業して佐川急便に入社、39歳もうすぐ40歳目前でした。息子なりに仕事を一生懸命真面目に勤めた18年で会社に貢献してきたと確信しています。テレビの取材放映で、生き生きハツラツと仕事をしている姿を見て、頑張っているんだなと思えて誇らしかったです。まさか15年後こんな悲惨な目にあうなんて、何かの間違いであってほしかったです。

 

 これは誰にでも起こる事、いえ、絶対に起こしてはいけない事なのです。皆が、自分が当事者にならなければ分からない事です。

 

 我が子がパワハラによりうつ状態になって絶望し自殺するまで、親として力にもなってあげられず、何もしてやれなかった事が、悔やんでも悔やみきれないです。許せないのです。この事がどんなに辛く悲しいのか、会社には分からないでしょうね。

 

 私たちのようなこんな残酷な思いをするのは、これで終わりにして下さい。猛省して下さい。息子の死を絶対に無駄にしないで下さい。息子の生きた証しを残して下さい。忘れないで下さい。

 

 何物にも代え難いかけがえのない命より大切な物なんて無いのですから、胸に深く刻んで下さい。会社理念等に掲げている通り、笑顔でコミュニケーション、人に優しく、人を育てる会社を目指して下さい。

 

 <息子へ>

 

 母親として、生まれてきてくれてありがとう。でも、あまりにも惨(むご)い別れで棘(とげ)が胸に刺さったままです。

 

 軽く扱われ過ぎている“命の重さ”。本当にもう会えないんだよね。


《カウンセラー松川のコメント》

パワハラによる自殺事案について各社毎にニュースの違いがあり
詳細が分かる様に複数社のニュースを掲載致しました。
総合すると、パワハラの内容は
上司A(課長)
・昨年6月頃からノルマ達成状況について度々厳しく咎める
上司B
・電話で「俺はうそつくやつとは一緒に仕事できねえんだよ」などと言う
・被害者を会社に呼び戻し、同僚の前で机の前に立たせた状態で40分以上非難し続ける
上司AB不明
・メッセージアプリで「うそつき野郎はあぶりだす」「なめ切ってるな」等と送信
です。
これだけパワハラを受ければ、心身に悪影響が出て当然です。
しかも、内部通報を受けた会社側の調査も形骸であり、
真のパワハラ対応や防止の姿勢は微塵にも感じられません。
1990年代前半に発生した[東京佐川急便事件]の反省により、
顧客に対しても横柄な配送員等の乱暴な体質が
外見からは改められたかの様でしたが、
結局は水面下に潜ったたけで本質は変わっていなかった様です。

御遺族の皆様へ
加害者側も口ではいくらでも反省の弁を述べられます。
そうやって追及ま手や非難を避けようとしているだけでしょう。
心身と時間と経済的な余裕があるのならば、
佐川急便に対して徹底した追及をして御子息の無念を
少しでも晴らして頂きたいと願っております。

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