2021年4月16日金曜日

長野の保育園 「パワハラ」で保育士9人退職 理事長側は否定

長野の保育園 「パワハラ」で保育士9人退職 理事長側は否定

 

2021年4月16日() 9:27 毎日新聞(坂根真理)

 

 社会福祉法人が運営する佐久市の認可保育園で昨年春以降、園長(当時)を含む保育士らの労働組合が理事長の解任を求める嘆願書を提出、これに対し理事長側は要求を拒否し、園長を解任するなど対立が続いている。関係者によると、3月末には職員の約2割に当たる保育士9人が一斉に退職した。職員の一部は理事長からパワハラを受けたと主張するが、理事長側は全面的に否定。保護者からの相談を受け、市も保育への影響がないかどうか園関係者への聞き取り調査を始めた。

 

 関係者によると、同園は開設から70年以上たっており、現在の理事長は昨年春に就任した。その後、理事長から威圧的な言動を受けたとして保育士らが改善を求めて、昨年6月に理事長の交代を求める嘆願書を法人に提出。7月には労働組合を組織した。その後、組合の中心メンバーだった園長は職を外され、保育士として勤務している。

 

 組合には、他の職員からも「人格を否定するようなことを言われた」などの訴えがあった。こうした動きに、法人の監事は2月、職員への聞き取り調査を実施したが、「パワハラはなかった」と結論づけた。

 

 その後、クラス担任や30年以上のベテラン保育士も含む9人が3月末に退職した。退職した職員は周囲に「理事長に『あなたは仕事ができない』などと心ないことを言われた」「職員には休む権利も義務もないと言われた」などと漏らしており、組合は労働基準監督署にも相談しているという。

 

 一斉退職や園長の解任が3月に明らかになると、保護者の間から不安の声が上がった。理事長は3月下旬に説明会を開き、パワハラを全面否定したという。だが、保護者の中には「説明が不十分だ」などと反発し、理事長の交代と園長の復帰などを求める署名集めの動きがある。法人と市に提出する構えだ。

 

 同園の園児は144人(1日現在)。今春に職員を4人採用し、市によると職員の配置基準は満たしているという。ただ、現職の職員は取材に対し「職員が減った影響で休憩時間の確保が難しくなるなど人繰りがむずかしくなった。体力的にも精神的にもつらい」と明かす。

 

 取材に対し理事長は、園長の解任について「不適任であることを示す事実があった。理事会で十分に時間をかけて審議をして決めた」と説明。職員へのパワハラについては否定し、9人の退職については「個々の理由があり、たまたま退職者が重なってしまった」などと述べた。自身の辞職を求める動きについて「正当な理由がない」と話し、理事長を続ける意向を示した。

 

 保護者らの訴えなどを受け、市は県と連携しながら園関係者への聞き取り調査をしている。市子育て支援課の菊池秀一課長は「法人側と職員とで言い分が食い違っており状況をよく把握したい。しっかりと保育ができているかを調べたい」と話している。


《カウンセラー松川のコメント》

市の担当部署や担当者としては、正直なところ労使問題はどうでもよく、
要は適切に保育がされ、保育園が運営されていれば良いのです。
それでも、市当局としては市民の声に耳を貸さない訳にも行かず、
聞き取り調査をするに至ったのでしょう。
この様なハラスメントや労使間の問題は労基署の管轄でもありますから。
さて、この様な保育や教育ですと、トップは法人の長ですが、
園児~生徒や保護者にとっては園長や校長と接する機会が圧倒的に多いので
園長や校長の人柄を知る事が多いです。
よって、本当に理事長が悪くないとしても、
相当に詳しい説明や証拠を提示しないと納得はして貰えません。
理事長と園長のどちらが悪いにせよ、
保護者から「説明が不十分だ」との指摘を受ける様では、
やはり理事長の分が悪いです。
この状況ですと、宮城県の涌谷保育園と同じ様な泥仕合になりそうです。

被害者の皆様に嘘偽りが無いならば、
園児や保護者が強い味方になってくれるはずです。
行政やマスコミにもこの事案をもっと知ってもらい
世論を味方につけて問題解決を有利に進めて欲しいです。


 

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