2021年4月5日月曜日

市のハラスメント担当課長、別の課長の不適切発言を注意せず 部下に「子育てで休み出してほしくない」

市のハラスメント担当課長、別の課長の不適切発言を注意せず 部下に「子育てで休み出してほしくない」

 

2021年4月5日() 7:01 京都新聞

 

 滋賀県甲賀市のハラスメント担当の課長が、部下に対する別の課長の不適切な発言を聞きながらその場で注意しなかった上、発言の不適切性を審議する苦情処理委員会に委員の一人として出席していたことが4日分かった。委員会開催も申し立てから4カ月かかっていた。市では元幹部職員のセクハラ調査の長期化が明らかになっており、改めて市の対応の妥当性が問われそうだ。

 

 市によると、昨年4月上旬、セクハラ問題の心労で病気療養していた女性職員の職場復帰に向け、上司の女性課長と話し合いをした。女性職員が育児を理由に2日間の休暇を申し出ると女性課長は「課にはたくさんの女性がいて、子どもがほしくて得られなかった人、子どものいない人もいる。子育てを前面に休みを出してほしくない」などと発言したという。

 

 市の説明では、話し合いにはハラスメント担当の男性課長も同席していたが、注意をしなかった。同月、女性職員による申し立てを受け、市は8月に苦情処理委員会を開き、同課長も委員の一人として出席。委員会は「発言は不適切」と結論付けた。女性職員への決定通知は委員会の1カ月半後で、申し立てから半年近くかかった。

 

 市総務部は「経過については調査中の個別案件にも絡むため言えない。担当の男性課長は関係者として聴取した上での委員会出席であり、中立性は他委員が点検しており、問題ないと判断した」と説明する。

 

 市では元幹部職員のセクハラ調査が長期化したまま3月末で定年退職した問題が明らかになっている。

 

■中立性損なう恐れ

 

 新川達郎同志社大名誉教授(地方自治論)の話 本来はその場の注意で済む話だ。手続きに載せるならば丁寧に行うのは当然だが、時間をかけ過ぎると問題を大きくするのでバランスが重要だ。問題発言時に同席していた課長は職務上の見逃しをした責任があり、委員として出席するのは結論の中立性を損ないかねない。


《カウンセラー松川のコメント》

先ず、ハラスメント担当課長にどこまで権限があるのか?
この部分が気になります。
単純に見れば、他の課の課長も同じ職位なのですから、
課長が課長に注意をするのは、
職務とは言え精神的な負担は大きいと思います。
「〇〇課長、今の発言はマタハラだよ」と
言うのは簡単です。
しかし、課長同士これからも同じ市役所で勤務するのですから、
この職務での注意で逆恨みされて、意趣返しされないとも限りません。
そう考えると[聞かなかったことにする]のが
同僚として無難な判断としたくなるでしょう。
ハラスメントを擁護するつもりはありませんが、
それを取り扱う職務にするならば、それ相応の職位を与えないと、
例え権限だけ与えても職務を全うするのは難しいと思います。
しかしながら、4月に苦情を申し立てたのに、
8月に委員会を開催したのは、余りにも遅すぎると思います。
いろいろと言い訳は有る様ですが、
下調べに数ヶ月を要するのでは関係者の記憶も薄れてしまい、
確実な調査は難しいでしょう。
市としてのやる気の無さを具現化しているとしか思えません。

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