2021年4月20日火曜日

ITに疎い上司は「テクハラ」被害者なのか 「聞いてくれれば教える」「仕事丸投げ」と賛否両論 専門家「互いを認め合えばタテ社会的な雰囲気も改善」

ITに疎い上司は「テクハラ」被害者なのか
 「聞いてくれれば教える」「仕事丸投げ」と賛否両論
 専門家「互いを認め合えばタテ社会的な雰囲気も改善」

 

2021年4月19日() 16:56 夕刊フジ

 

 コロナ禍でテレワークやオンライン会議など業務のIT化が、新たな問題を引き起こしている。ITスキルの高い人が、スキルを持たない人に「こんなことも分からないのか」と発言したり、専門用語を多用して相手を混乱させる「テクノロジーハラスメント」だ。部下が加害者、上司が被害者になることが多い「テクハラ」だが、実際の職場ではどう受け止められているのか。

 

 20代男性が勤務する東京都内のメーカーでは昨年、コロナ対策の一環として部署内でテレワークが導入された。「オンライン会議の機会が増え、上司のビデオ通話アプリなどの設定作業を手伝った。複雑な操作が必要なアプリは少なく、丁寧に説明すれば慣れない上司もすぐにのみ込んでくれた」と語る一方、「ショートカットキーを使うと『何それ?』と聞かれ、その都度説明することも。正直『知らないのか…』と思うことはある」とも漏らす。

 

 都内の金融機関に勤める20代女性は「オフィスのパソコンに2台目のモニターが支給されたとき、なぜか上司は接続して使おうとしなかった。設定が分からなかったのだろうが、誰にも相談しない。聞いてくれれば教えるし、別に恥ずかしいことでもないと思うが」と首をかしげる。

 

 こうした上司に対して部下が嫌がらせのような言動を見せた場合、パワハラやセクハラと同じく深刻な問題になるのか。

 

 多様な働き方などを調査するツナグ働き方研究所の平賀充記所長は「厚生労働省はパワハラを『職場において行われる優越的な関係を背景とした言動』などと定義しており、ITスキルの有無によって優越的関係が生じるとすれば、テクハラを一種のパワハラと考えることもできる。ITに関わる知識は全体的に若い世代のほうが詳しいことから、部下から上司への“加害”という構図が多く、上司はプライドを傷つけられたように感じてしまう」と解説する。

 

 ネット上では、「ITスキルがないからといって、分かる人に仕事を丸投げするのもテクハラだ」「知識がない方が悪い」「そもそも伝え方の問題だ」などの声があり、賛否両論だ。

 

 前出の平賀氏は、「上司だからといって完璧である必要はない。相手が部下でも素直に相談すればよく、部下も、上司にも分からないことがあると理解することが重要だ。互いを認め合えば組織内のタテ社会的な雰囲気も改善され、パワハラをなくすきっかけにもなるだろう」と提言した。


《カウンセラー松川のコメント》

新型コロナウイルス感染症への予防策として、
出勤を抑止しての働き方を[テレワーク]と言うカタカナ言葉で
飾られていますが、要は[在宅勤務]です。
このテレワークと切っても切れないのが、パソコン通信の技です。
いや、もう令和どころか、21世紀には[パソコン通信]は死語ですよね。
しかし、実際にテレワークで駆使しているのは、
パソコン通信をはじめとしたIT技術です。
今まで部下に資料を作らせて、自分はメールさえも遠慮していた上司も、
このテレワークでパソコンを触れないでの仕事は無理となりました。
また、簡単な提案なら手書きやワープロソフト等で済ませていた人も、
パワーポイントの様なソフトでの説明を求められてしまったりです。
突然のテレワークにより、それまで不要だった知識や技術が必須となり、
これに対応出来ない人が現れても何の不思議もありません。
確かに知識や技能はあるに越したことはありませんが、
それまで必要とはされていなかった物ならば、
今スグに得られなくても当然です。
だからと言って、出来る人に仕事を押し付けるのも問題があります。
この様な状況を組織は把握した上で対策を執る必要があるでしょう。

知識技能が無い為に見下される被害者の方は災難ですが、
自助努力する必要もあります。
テレワークが解除になっても、パソコンを扱う知識は必要ですから、
これを機会に習得をするべきでしょう。
また、知識技能がある為に仕事を押し付けられる被害者の方も
自分の処理能力を示して、御自身が無理しない仕事量に調節してくださぃ。

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