教育現場で性犯罪相次ぐ香川県 再発防止への対策は?
2021年4月3日(土) 11:32 毎日新聞(喜田奈那)
2020年3月からの約1年間で、香川県内で教職員や保育士らが児童や生徒にわいせつな行為をする事案が相次いでおり、県警が強制わいせつや児童福祉法違反などの疑いで少なくとも8人を逮捕した(うち2人は不起訴)。教育現場で性犯罪がなぜ多発しているのか。対策はどうすべきか。専門家らに話を聞いた。
勤務先の中学校内で教え子にわいせつな行為をしたとして、児童福祉法違反などの罪に問われた被告の公判が20年9月、高松地裁であった。裁判官は「被害者が被告を尊敬し、その影響力を利用して犯行に及んだ」と指摘。生徒は指導を受けられなくなると考え、拒否できなかったことも明らかになった。捜査関係者によると「短期間に相次いで教職員が逮捕されるのは非常に珍しい」としている。
事故や虐待などから子どもたちを守る活動に取り組む有志の団体「子ども安心ネットかがわ」代表の仙頭真希子さん=県弁護士会所属=は「昔から学校では『先生の言うことを聞きなさい』と言われ続け、教師と生徒児童の間には自然と構築された上下関係がある」と指摘。さらに「校内には他人の監視の目が行き届かない場所があり、性犯罪が起こってしまう環境がある」と説明する。
県教委によると、20年度に公立学校でわいせつやセクハラ事案で懲戒処分を受けた教職員は逮捕者を含む5人で、19年度の1人と比べ大幅に増加した。この10年をみても昨年度以外は0~4人で推移している。
県教委はこれまで、学校でのセクハラなどの具体的な事例集を用いて、教職員の研修の際に注意喚起してきた。事件に発展するきっかけとなる教職員と児童生徒の間での私的なSNSの利用を禁止し、各校に使用頻度の低い特別教室や準備室など校内の死角となる場所は、悩み相談など生徒児童と2人きりになる状態では使わないなど利用方法を見直すよう各校に要請している。担当者は「連続発生しているのは非常に残念。各市町や学校と連携しながら指導や周知を徹底し、しっかりと再発防止に努めていきたい」と話す。
◇千葉県教委は毎年実態調査を実施
学校でのセクハラを防ぐため、全国でも先進的に取り組んでいる千葉県教委は05年以降、県立学校の全生徒と教職員に対し、セクハラの実態調査を毎年実施している。生徒には、必要以上に身体を触られたり、性的な話・冗談を言われたりして不快に思った経験があるか質問。養護教員らが相談員となり、兆候があった場合は生徒や児童と面談を実施している。調査によって発覚し、教職員が懲戒処分に至った事案もあるという。
千葉県教委の担当者は「調査は教職員が緊張感を持つので抑止力にもなり、被害に遭っていることに気付かない児童や生徒もいるので啓発にもなる」と効果を話す。対策について「使わない教室は施錠し、鍵の管理を徹底するなど、校長がリーダーシップをとって起こさせない環境整備をすることが重要」と説明する。
仙頭さんは「今までやってきた防止対策では不十分。香川県教委は生徒らへの実態調査や各事案がなぜ起きてしまったのかをしっかり検証し、具体的な対策に落とし込んでいくことが必要だ」と強く訴える。
《カウンセラー松川のコメント》
ここでも「生活指導や相談を公開の場で」と言わんばかりの提言です。
犯罪が起きれば、それを防止する為に、規制をし、自由度が低くなる。
大風が吹けば桶屋が儲かる理論です。
早急に防止策を施す事も大切ですが、
早計な施策では別の問題が起きますよ。
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