2021年4月24日土曜日

スポーツの現場、指導者の3割が周囲のセクハラを認識

スポーツの現場、指導者の3割が周囲のセクハラを認識

 

2021年4月24日() 19:10配信 朝日新聞(黒田壮吉、斉藤寛子)

 

 日本スポーツ協会の2019年の調査では、スポーツの現場で、セクシュアルハラスメントを見聞きしたという指導者は約3割に上る。見聞きした指導対象を年齢別でみると、未成年が3割を上回り、成人(大学生年代を除く)よりも多かった。

 

 調査は19910月、同協会に登録された指導者28547人を対象に過去5年間に見聞きしたかをオンラインで聞き、2611人(92%)が回答した。セクハラの背景についての質問への回答では「指導者の人間性・人格」が90%と高く、「被害を訴えにくい関係や環境」(72%)、「結果主義・勝利至上主義」(45%)が続いた。

 

 日本オリンピック委員会(JOC)が13年に実施した調査では、トップ選手の115%が暴力を含むパワーハラスメント、セクハラを受けたことがあると答えた。自由記述では「信頼関係さえあれば問題ない」とする選手も少なくなかったという。

 

 スポーツジェンダー論に詳しい明治大の高峰修教授は「指導者と選手の間には圧倒的な権力差がある。大会への出場など決定権を持つ指導者に選手は受け身になりがちで、セクハラをされても言い出しにくい」と指摘する。

 

 また、合宿や遠征など共有する時間が長いうえ、指導などで身体的接触が多いこともセクハラが起きる一因という。「被害に気づかぬ間に時間をかけて距離を詰められていることもある」

 

 一方で、セクハラに対する取り組みは遅れているという。「多くの競技団体でセクハラは禁止事項になっているが、丁寧なガイドラインなど防止対策があるわけではない。セクハラは起きるという前提に立ち、相談窓口を増やすべきだ」と話す。


《カウンセラー松川のコメント》

[28547人を対象にした調査で2611人]とのこと。
回答率9.2%の低さに驚きました。
この回答率では調査結果の信憑性も怪しいです。
しかし、この数値こそ「セクハラはもっと多い」との答えが
隠されている気がします。
セクハラをした指導者は回答をしていないのではないでしょうか?
また、回答しなかった方々の中にはセクハラを認知しながら、
何も対応しなかった事への罪悪感から回答しない選択をしている様な
気もしています。
また、別の調査結果の自由記述として
「信頼関係さえあれば(ハラスメントは)問題ない」
とのことですが、これはハラスメント被害者の言葉とは思えません。
[ハラスメント=嫌がらせ]ですので、
受けた側が「問題ない」と感じているならば、
ハラスメントは不成立です。
即ち「問題ない」と回答しているのは、
ハラスメント被害を受けていないからなのです。
よって、この「信頼関係さえあれば問題ない」の回答は
ハラスメント対策に於いては何も意味を為さないものです。
「指導者と選手の間には圧倒的な権力差がある。
大会への出場など決定権を持つ指導者に選手は受け身になりがちで、
セクハラをされても言い出しにくい」
これは指導者からのパワハラにも当てはまると同時に
学校内でのハラスメントでも
「教師と生徒の間には圧倒的な権力差がある。
進学就職への推薦書等の作成権を持つ教師に生徒は受け身になりがちで、
セクハラやパワハラをされても言い出しにくい」
とも言えます。
これらの防止や対策に決定的な有効策は少ないですが、
ハラスメント問題が訴えられたら、問題解決までの間は
[選手選考の権利を指導者の判断ではなく、
他の客観的な方法での先行的に変更する]
くらいでしょう。
これが万能とは思いませんが、無策よりはマシだと思います。

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