2022年9月17日土曜日

パワハラ看過、村長の不信任案可決…女性「村民が何を欲しているのか理解を」

パワハラ看過、村長の不信任案可決…女性「村民が何を欲しているのか理解を」

 

2022年9月17日() 14:05 読売新聞

 

 富山県舟橋村役場で横行していた職員間のパワハラ問題は、村議会による古越邦男村長への不信任決議に発展した。県に記録が残る1974年以降、県内で首長の不信任案が可決されるのは初めて。古越村長は即座に村議会を解散し、40日以内に村議選が行われる。選挙後に再び不信任案が可決されれば村長は失職する。

 

村議会は全会一致で古越村長の不信任案を可決した(16日)

 

村長「大変残念」

 

 16日の村議会本会議は、午前10時に始まった。傍聴席には大勢の報道陣が詰めかけ、古越村長は一礼をして5分前に議会に入った。

 

 他の議案を採決後、3村議の連名で不信任案を提出した自民党の竹島貴行村議(5期)が、議場で文面を読み上げた。古越村長は終始厳しい表情で手元の不信任案に目を通し、竹島村議が「時間の経過とともに問題を風化させ、責任所在も曖昧になるやり方は舟橋村の将来を阻害する」と指摘すると、一瞬顔を上げて視線を強くした。

 

 採決は全村議6人が起立して賛成を表明し、全会一致で可決された。古越村長は閉会のあいさつで「可決されたことは大変残念」と不満を述べ、議会を後にした。

 

「10日あるのに…」

 報道陣に「私と職員が一丸となって改善していく思いを強く持っている」と語った古越村長は村議会閉会から約1時間後の午前11時半、正副議長室に向かった。手にしていたのは議会の解散通知書。手渡された森弘秋議長(3期)が「非常に残念に思う」と述べると古越村長は目線も合わさず「とても残念だ」と応じ、さらに森議長は「(判断できる期間は)10日間あるのに、こんなにいち早く解散なんて……」と語った。

 

 一方、提案者の竹島村議は「議員全員が賛成という結果には感謝している。なぜ議会からノーをつきつけられたか、村長には意味合いをしっかり考えてほしい」と語った。賛同者の加藤智恵子村議(1期)も「村長のことを中傷する気はないが、村民も不信任案に賛同する意見が多かった。これを機に村が少しでも良くなればと思う」と話した。

 

「もっと対話を」

 パワハラ問題を巡っては、村が6日、第三者委員会の調査報告書をホームページに公表。男性職員が女性職員に「給料泥棒」と暴言をはくなどのパワハラがあり、当時副村長だった古越村長は適切な対応を取らなかったと指摘している。他の職員によるパワハラも続き、約10年間で村職員の3分の1にあたる約10人が被害を受け、ここ数年のみでも4人がメンタル不調になり、2人が退職していた。

 

 議会を傍聴していた女性(75)は「不信任案が可決されてよかった。村長は村民が何を欲しているか理解し、もっと対話をするべきだ」と話していた。

 

不信任決議の要旨

 古越村長に対する不信任決議の要旨は以下の通り。

       ◇

 パワハラの調査報告書の内容は非常にショッキングで、舟橋村のイメージを大きく損ねた。「被害者の職員の一部が他の複数職員に対して加害者と疑われ、複層的で大規模な被害状況は他に類を見ない」とまで記載されている。職員間でのパワハラの常態化は、仕事への使命感に支障をきたし、行政サービスが質的に問題はなかったのかとも疑われる。

 

 村長は幹部職員、副村長を歴任し、最上位の責任当事者だ。パワハラを10年以上も看過してきた責任は見逃すことができない。パワハラの調査報告書を安易に公開したことも村の価値をおとしめた。

 

 村長は「組織の立て直しを図るために努力する」と述べたが、これまでの姿勢は評価できず、村長に託すことは難しいと判断した。村政で、責任を取るべき人が責任を取るという当たり前の姿を取り戻すけじめとしてこの決議案を提出した。


《カウンセラー松川のコメント》

拙ブログ9月16日付け記事
「Mメンタルサポート」 ブログ出張版: パワハラ被害を10年以上見過ごし、不信任決議案を可決された村長が辞職せず議会解散 (mms119.blogspot.com)
これの続報です。
報道で知る限りでは、村長の姿勢は
「自分が首長ではない時期の問題に対して、
今の首長である自分が責任を負わされている」と
あまりにも他人事の様に捉えていると感じられます。
しかし、実際は副村長としてのパワハラ対応でさえも
他人事として真摯に取り組まなかったのも
今日の問題化の一端となっています。
「自分に降りかからなければ他人事」
そんな無責任体質を持っているのではないでしょうか。
これでは、首長として人の上に立つ事は難しいと思います。

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