2022年9月30日金曜日

遅すぎる謝罪、悔しさにじませる 自衛隊の性被害、実名告発の五ノ井里奈さん

遅すぎる謝罪、悔しさにじませる
 自衛隊の性被害、実名告発の五ノ井里奈さん

 

2022年9月30日() 6:00 河北新報

 

 元陸上自衛官の五ノ井里奈さん(23)=宮城県東松島市出身=が性被害を訴えた問題で、防衛省は29日、これまでの内部調査の結果、セクハラ行為を認め、本人に謝罪した。所属の中隊で日常的に性的な発言や身体接触のセクハラがあり、2020年秋から昨年8月、演習場の宿泊施設で押し倒されるなどの被害があったと確認した。関与した隊員の特定を進め、速やかに懲戒処分にする。中隊長は五ノ井さんから訴えがあったのに上司の大隊長に報告を怠った。

 

 五ノ井さんは郡山駐屯地(郡山市)に所属していた。今回の調査で、ほかにも複数の女性隊員がセクハラ被害を受けたことが判明。防衛省は、全自衛隊を対象にしたパワハラなどを含めたハラスメント行為に適切な対応ができているか調べる「特別防衛監察」も実施しており、ハラスメント根絶に向け対策を急ぐ。

 

 防衛省の町田一仁人事教育局長と陸上幕僚監部の藤岡史生人事教育部長は29日夕、東京都内で五ノ井さんと面会し「大変申し訳ございませんでした」と謝罪。五ノ井さんは「本当に遅い。今後このようなことが二度とないよう根本的に改善してほしい」と涙ながらに訴えた。町田氏は当初の調査が不十分だったと認め、藤岡氏は加害者からの直接謝罪を検討する考えを示した。

 

■陸自トップが謝罪

 陸自トップの吉田圭秀陸上幕僚長は29日の記者会見で「陸自を代表し深く謝罪する。誠に申し訳ございませんでした」と頭を下げた。懲戒より前に謝罪を決めたのは「われわれの仲間である自衛官が退職後、自らの名前と姿を公にして、被害を訴えた重みに鑑みた」と説明した。

 

 防衛省によると、調査では、以前は否定していたが、一転して行為を認めた隊員もいた。吉田氏は「罪悪感が欠如していた」と指摘した。

 

 五ノ井さんには日常的な発言や接触に加え、20年秋、昨年6月、昨年8月に被害があった。昨年8月は口止めもされた。このケースは強制わいせつ容疑で3人が書類送検され不起訴となったが、今年9月、郡山検察審査会が不起訴不当と議決し、再捜査となっている。

 

 防衛省の調査は陸自東北方面隊を中心に昨年8月末から始めた。これまで約100人の隊員から聞き取り、五ノ井さんにも複数回、話を聞いた。調査を主導するため、防衛監察本部の検事が派遣された。



※ 他社のニュースも掲載致します

防衛省が元女性自衛官への“日常的セクハラ”認め謝罪
 「夢を持って入隊したので…本当に遅いと思う」声を震わせ…

 

2022年9月30日() 1:42 日本テレビ

 

元陸上自衛隊の女性が、野営中に性的な身体接触をされるなど、複数の男性隊員から性被害を受けたと訴えた問題で、防衛省は29日、日常的なセクハラがあったことや、元女性隊員が訴えた被害を中隊長が握りつぶしていたことを認め、謝罪しました。これに対し女性は、「私は夢を持って陸上自衛隊に入隊したので本当に遅いと思う」と声を震わせながら訴えました。

   ◇

陸上自衛隊に所属していた五ノ井里奈さん(23)は、自らが東日本大震災で被災した際、避難所で入浴支援をしてくれた女性隊員にあこがれ、入隊したといいます。それがわずか2年で退職に追い込まれたのは、卑劣なセクハラがきっかけでした。

 

五ノ井さんは29日午後、取材に応え、「実名とか顔だしをして自衛隊のことを話すというのは、たくさんの批判が来ていたので傷つきましたけど、やっぱり自分のやられたことは忘れませんし」と話しました。

 

今月6日、五ノ井さんは自分のやられたことについて、「(男性隊員が)私に首をキメて倒して、そのまま覆(おお)いかぶさって腰を振るっていうことがありました」と証言していました。

   ◇

29日、防衛省は五ノ井さんへのセクハラについて、福島県の部隊などで一緒だった約100人の隊員への聞き取り調査の結果を公表しました。

 

その中で認めたのは、「2020年の秋の警備業務中に隊員が性的な身体接触を行ったこと」「去年6月に演習場で野営をしていた際に、隊員が性的な身体接触を行ったこと」。また、五ノ井さんが退職する決め手となった「去年8月、演習所の宿泊施設で隊員が五ノ井さんを押し倒し性的な身体接触を行い、これを口外しないよう口止めを行ったこと」でした。五ノ井さんから被害を訴えられた中隊長は上官の大隊長に報告せず、事実関係の調査も実施していなかったということです。

   ◇

そして29日午後5時過ぎ、五ノ井さんは防衛省と陸上自衛隊の幹部から「大変申し訳ございませんでした」と謝罪を受けました。

 

記者会見で五ノ井さんは、途中から声を震わせながら、「最初からこのような調査をしていただければ…私は夢を持って陸上自衛隊に入隊したので…今こうやって認められたのは、本当に遅いと思っています」と訴えました。そして幹部に対し、直接、問いただしました。

 

元陸上自衛官 五ノ井里奈さん(23

「今、こうやって証言、認めるということは、最初の調査はおろそかだったのではないでしょうか?」

 

防衛省人事教育局長

「私たちの調査の中で、不十分な点があったのであろうと」

 

さらに求めたのは、加害隊員による直接の謝罪です。

 

元陸上自衛官 五ノ井里奈さん(23

「必ず私の方に直接、謝罪にきて…行くように、言っていただいてもいいですか?」

 

陸上幕僚監部 人事教育部長

「そのようにできるように、対応してまいりたいと思います」

 

元陸上自衛官 五ノ井里奈さん(23

「どこまでがセクハラとか、どこまでがパワハラとか、全隊員に教育したほうがいいと思います」

 

陸上幕僚監部 人事教育部長

「承知しました」

   ◇

陸上自衛隊のトップも謝罪しました。

 

陸上自衛隊トップ 吉田圭秀陸上幕僚長

「誠に申し訳ございませんでした。自分が行っている行為に対する罪悪感、それが、私は欠如していたのではないかと」

 

防衛省は今後、被害の詳細などを確定させ、速やかに懲戒処分を実施し、公表するとしています。




セクハラした隊員に直接謝罪してほしい

 

2022年9月29日() 20:38 福島放送

 

防衛省の関係者らは、五ノ井さんに対し「長く苦痛を受けられたことに深くお詫び申し上げます」などと謝罪をしました。

会見した五ノ井さんは、

「最初からこのような調査をしていただければ私は夢を持って陸上自衛隊に入隊したので、今こうやって認められたっていうのは、本当に遅いと思っています」と述べました。

五ノ井さんは、セクハラをした隊員に直接謝罪に来てほしいとも話し、二度と同じようなことが起きないよう根本的に改善してほしいと訴えました。

 

 

 

防衛省 元自衛官の性的被害を認め公に謝罪
 陸上自衛隊郡山駐屯地のセクハラ問題

 

2022年9月29日() 18:23 福島中央テレビ

 

元自衛官の女性が訓練中の性的な被害を訴えていた問題で、防衛省がこれを認めて謝罪した。

 

この問題は、陸上自衛隊郡山駐屯地の元自衛官・五ノ井里奈さんが訓練中の性的被害を訴えていたもので、防衛省が公に認めるのははじめて。

 

隊員約100人への調査の結果、2020年の秋から2021年8月にかけて、複数の男性隊員が五ノ井さんの身体を複数回にわたって性的に触ったり、口外しないよう口止めをはかったりしたという。

 

隊員の数は調査中としている。

 

会見した吉田陸上幕僚長は「これまで長く苦痛を受けられている五ノ井さんに対し、陸上自衛隊を代表して深く謝罪申し上げる」と述べて、関係者を懲戒処分する方針を示した。


《カウンセラー松川のコメント》

拙ブログ9月5日付け記事
「Mメンタルサポート」 ブログ出張版: 女性の元自衛隊員のセクハラ被害訴え受け…防衛省が調査へ 5年ぶりの特別防衛監察 (mms119.blogspot.com)
これの続報です。
陸自トップである陸幕長が謝罪したとの事ですが、
被害者にも向き合わずに記者会見での謝罪。
これが本当に謝罪と言えるのでしょうか。
今問題となっている事案で判明している被害者は一人。
決して向き合えない人数ではありません。
直接謝罪したのは防衛省人事教育局長と陸上幕僚監部人事教育部長の二人。
ここまで事案を隠蔽した上に大事にさせておきながら
陸幕長は「被害を訴えた重みに鑑みた」と称しながらも
直接謝罪しない点で本心では「下々の連中のやらかしで迷惑千万」の思いが
滲み出ていると感じます。
まだまだ上には統幕議長や防衛大臣も居る中で、
陸幕長は直接謝罪しなくて済む程に偉いのでしょうか。
この様な体質からも陸自幹部の本気度を疑いたくなります。

被害者の方へ
まだまだ道半ばです。
偉いさんが謝罪したから済む訳もなく、
きちんと始末をつけてこそ詫びの証明だと思います。

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