2022年9月8日木曜日

ピクシブ側、セクハラ認める 性自認否定訴訟 東京地裁

ピクシブ側、セクハラ認める 性自認否定訴訟 東京地裁

 

2022年9月8日() 17:19 時事通信

 

 職場で女性としての性自認を否定され、セクハラ被害を受けて心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症したとして、トランスジェンダーの30代会社員が勤務先のインターネット関連会社「ピクシブ」(東京)と元上司に約550万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が8日、東京地裁(山田悠一郎裁判官)であった。

 

 ピクシブ側は訴えを認める「認諾」を表明し、同社との訴訟は終結した。

 

 元上司側は、一部事実に誤りがあるとして棄却を求めた。

 

 原告代理人の仲岡しゅん弁護士によると、ピクシブ側は答弁書で「人格や心を深く傷つける許されざる行為だった。今後被害が生じないよう全力で取り組む」と表明した。原告の社員は取材に「前向きに受け止める。会社がどう変わるか見守りたい」と語った。

 

 訴状によると、社員は元上司から継続的にセクハラを受け、「何で女装してんねん、お前男やろ」などと言われることもあった。会社に被害を訴えた後も元上司と同じ部署に配属され、同社に職場環境配慮義務違反があったとしていた。

 

 ピクシブの話 体制と対応が不十分であった責任を認めるとともに、改めて原告に深く謝罪する。


 

※ 他社のニュースも掲載致します

「なんで女装してんねん」
SOGIハラ訴訟で会社側が訴えを全面的に認め賠償に応じる

 

2022年9月8日() 14:27 TBS

 

男性として生まれ現在は女性として生活している会社員が、勤務先の元上司から性自認に関する侮辱=「SOGIハラ」を受けたとして会社などに賠償を求めた裁判で、会社側は訴えを全面的に認め賠償することを表明しました。

 

この裁判は、トランスジェンダーの会社員が2019年までの2年間、勤務するIT関連会社「ピクシブ」の元上司から「なんで女装してんねんお前、男やろがい」などと、性自認に関する侮辱=「SOGIハラ」を繰り返し受けたとして、会社や元上司を訴えたものです。

 

会社員はあわせて500万円あまりの賠償を求めていましたが、きょう午後、東京地裁で開かれた裁判で、「ピクシブ」は訴えを全面的に認め、賠償を全額支払う「認諾」を表明しました。

 

SOGIハラ」を訴えた原告(30代)

「会社側が非を認めてくれたことに関しては前向きにとらえている。会社の中の制度やセクハラ防止のための体制整備について、私も意見を言うなど力になれれば」

 

原告側の代理人弁護士

「ピクシブユーザーの方々がきちんと(支援の)声をあげてくださったことに尽きる」

 

「ピクシブ」は、「体制と対応が不十分であった責任を認め、改めて原告に深く謝罪します」とコメントしています。




「なんで女装…」
 社員への「SOGIハラ」、ピクシブが認めて謝罪

 

2022年9月8日() 16:49 朝日新聞

 

 イラストや小説などを投稿できる人気サイト「pixiv(ピクシブ)」の運営会社(東京都渋谷区)で働くトランスジェンダーの30代女性が、元上司らからセクハラを受けたとして、同社と元上司に約556万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が8日、東京地裁(山田悠一郎裁判官)であった。同社は、原告側の請求を全面的に認める「認諾」の手続きを取った。

 

 原告側によると、ピクシブは「使用者としての責任を認めます。人格や心を深く傷つける許されざる行為で、改めて深く謝罪します」との答弁書を提出した。原告代理人の仲岡しゅん弁護士は、「セクハラをめぐる訴訟での認諾は私の知る限りでは珍しい」と話した。

 

 一方、元上司は事実関係について一部争う内容の答弁書を出した。原告側は元上司のみに対する賠償請求を追加し、元上司との間では訴訟が続く見通し。

 

■「元上司が『おまえ男やろ』発言」と訴え

 

 訴状によると、原告の女性は20184月、ピクシブにデザイナーとして入社した。入社当日から、元上司を含む複数の男性従業員から継続してセクハラを受けたと主張した。

 

 具体的には、元上司に腰に手を回されて性自認や性交渉の回数などをきかれた▽宴席で陰部に元上司の顔を押し当てられた▽「なんで女装してんねん。アホかい。おまえ男やろがい」と言われた、などと訴えていた。

 

 女性は社内の相談窓口に被害を報告。会社からは元上司を女性と接触させず、社内の飲み会にも参加させない措置を約束された。

 

 だが、元上司はその後も女性の執務スペースに立ち入ったり、飲み会に参加したりしていたという。


《カウンセラー松川のコメント》

拙ブログ5月27日付け記事
「Mメンタルサポート」 ブログ出張版: セクハラで上司ら提訴 性同一性障害の30代会社員 (mms119.blogspot.com)
これの続報です。
ニュースで称されている SOGIハラは
法的にはセクハラに類するハラスメントになります。
今後も性転換により法的な性別も変わっても
それを認識しないでの言動は起きると思います。
本来は社会や組織がその様な言動を防止するべきですが、
一企業としてだと「その様な面倒臭い事はしたくない」が
本音かも知れないので
「SOGIの人を排除しておこう」と言う動きになるかも知れません。
今般の認諾も、敗訴や企業イメージ低下を避ける為の手法であり、
どこまでSOGIについて受け入れているかは今後を見ないと分かりません。
主張するべき事は主張するのが正しいのでしょうけど、
それが逆効果にならない事を祈念しております。
また、被告の認諾により訴訟手続きは終了となるので、
判決は出ないので判例にもならないので全面敗訴となるよりは
被告にとって金銭解決で済む良い結果とも言えます。
但し、加害者とされた元上司については、自身の言い分もありますし、
金銭解決しようにも自腹でしょうから、企業の様に認諾も難しいでしょう。

被害者の方へ
企業は認諾と言う形で非を全面的に認めて、
それは早期解決に至り良かったと思います。
しかし、対個人となりますと簡単にはいかないでしょう。
上手な落とし所を見つけ早期解決に持ち込むか、
時間を掛けてでも徹底的に追い込むかは原告次第となるでしょう。

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