2022年3月9日水曜日

「後悔するよ」と言われても…育休取得の男性、感じたメリット「仕事の効率が良くなった」

「後悔するよ」と言われても…育休取得の男性、感じたメリット「仕事の効率が良くなった」

 

2022年3月9日() 10:34 西日本新聞(森井徹)

 

 女性82%、男性13%-。男性の育児休業取得率はこの数年、徐々に上昇しているものの、男女格差はなお大きい。2022年度には「男性版産休」が新設されるなど、父親が育児のために休みを取りやすくする制度が拡充される。職場の理解不足が育児の格差解消を阻む大きな要因になっており、経験者の男性は育休取得のメリットを強調する。

 

 「権利だから仕方ないけど、後悔すると思うよ」

 

 福岡県久山町の国家公務員、樋口一郎さん(44)は2009年、長男が1歳になるタイミングで1カ月の休みを取る際、幹部職員から掛けられた言葉が忘れられない。当時の男性の育休取得率はわずか172%。男性の同僚からは「休めていいね」「資格の勉強でもするの?」と言われた。

 

 企業で働く妻の育休明けにバトンタッチした。抱っこ、食事の準備、おむつ交換、また抱っこ…。無限のループが続き、自分の時間はない。育児をなめていたと気付いた。

 

 4年後、次男が産まれた時は5カ月間休んだ。休業中も仕事に支障が出ないよう、引き継ぎは入念に行った。今も家庭での時間をつくるために職場で時間管理を徹底している。「育休を経験してから仕事の効率が格段に良くなった」。職場では、男性3人が続いて育休を取った。

 

   ◇    ◇

 

 厚生労働省によると、女性の育休取得率は07年度以降80%以上で推移し、20年度は816%。一方、男性は20年度でも1265%にすぎない。しかも取得日数5日未満が約3割で「形だけの育休」も見え隠れする。

 

 福岡県大野城市の会社員、竹内進さん(35)は、長女の時に10カ月、次女の時に9カ月の育休を取得した。会社員の妻は2回とも産休明けに仕事に復帰した。妻のキャリアを優先した。

 

 社内で男性の育休取得経験者はゼロだった。直属の上司は戸惑い、飲み会では経営陣から「2次会は来なくていいよ。後は家庭を大事にしない男どもで行くからさ」と嫌みを言われた。

 

 19年に2度目の育休を終えて営業職に復帰すると、業績を取り戻すのに時間がかかり人事評価は下がった。担当者には「自己責任でしょ」と言い放たれた。

 

 それでも後悔はない。「社会から離れる孤独感も含め、人間を育てる楽しさと難しさを知った」。何より、育児を分かち合うことで夫婦の絆が強まった。

 

  ◇    ◇

 

 格差は育休だけではない。総務省の社会生活基本調査(16年)によると、6歳未満の子どもを持つ夫婦の1日当たりの育児時間は、妻の3時間45分に対し、夫は49分。

 

 前出の樋口さんは男性が育休を取得する意義を周囲に説いていると、同僚の女性から冷ややかに言われた。「育休を取っても偉くはないからね。女性は当たり前にやってきた」。男女格差の大きさをしみじみとかみしめた。 

 

「男性版産休」10月新設

 改正育児・介護休業法が4月から段階的に施行され、子どもが生まれる従業員一人一人に育休取得を働き掛けることを企業側に義務付ける。違反すると指導や勧告の対象となり、従わないなど悪質なケースは社名を公表できる。10月からは出産後の妻をサポートできるよう、子どもが生まれて8週間以内に夫が計4週分の休みを取れる「出生時育児休業(男性版産休)」も新設される。

 

 政府は男性の育休取得率を2025年度に30%まで引き上げる目標を掲げるが、中小企業などでは代替要員の確保が難しいケースもあり、どこまで取得が進むかは未知数だ。


《カウンセラー松川のコメント》

マタハラの問題です。
男性に対してですと[パタニティーハラスメント(パタハラ)]と
称されたりもしています。
女性が育休を使用するのでさえ問題視する人もいるのですから、
それが男性となったら尚更に不平不満を挙げる人がいるでしょう。
しかし、育児も男性が協力する時代になりましたので、
時台の変化として認識していくべきでしょう。

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