2021年3月13日土曜日

上司から「ぼけ」「腹黒い」、時間外労働109時間…自殺男性への労災補償不支給取り消し

上司から「ぼけ」「腹黒い」、時間外労働109時間
…自殺男性への労災補償不支給取り消し

 

2021年3月13日() 8:04 読売新聞

 

 福岡県内の会社員男性(当時20歳代)が自殺したのは勤務先でのパワハラや過重労働が原因だとして、男性の遺族が国を相手取り、労災補償の不支給決定の取り消しを求めた訴訟で、福岡地裁は12日、決定を取り消す判決を言い渡した。小野寺優子裁判長は、上司のいじめと長時間労働で男性がうつ病を発症し、自殺に至ったと判断した。

 

 判決によると、男性は2009年4月に県内の建設会社に入社。上司の部長は言葉遣いが荒く、指導の際に「ぼけ」「腹黒い」「偽善的な笑顔」などと叱り、机を手でたたくこともあった。さらに、11年2~3月の1か月間の時間外労働は109時間で、労災の認定基準の月100時間を超えていた。男性は同月、自動車内で練炭自殺を図って死亡した。

 

 判決は、部長の言動はパワハラやいじめに当たり、長時間労働で疲弊した男性に追い打ちをかけたと認定。自殺の原因は業務ではないとして、労災補償を不支給とした労働基準監督署の決定は違法と結論づけた。


《カウンセラー松川のコメント》

第一審の判決ではありますが、労災補償支給への道が開けた事は評価出来ます。
労基署では「自殺の原因は業務ではない」としたとするならば、
パワハラ被害についても認めていなかったと言う事になります。
真っ当な労働者の味方であるべき労基署も
当てにはならないと言うことなのでしょうか?
近年、生活弱者には目を向けられがちですが、
勤労弱者とも言える労働者のパワハラ被害や不当な環境や待遇での勤務に対して
労基署の動きが鈍過ぎる感があります。
確かに労基署の担当官が少な過ぎるのが最大の要因ですが、
それを補う為の活動を厚生労働省や所謂[族議員]が動いている様子もありません。
この先、まだまだ労働環境の改善は難しいと思われる現在、
勤労者を守る職員の増強も大切なのではないでしょうか?

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