2021年3月30日火曜日

「説明できなかったら、鉄砲で撃つぞ」…自殺の病院職員に副市長が不適切発言

「説明できなかったら、鉄砲で撃つぞ」
…自殺の病院職員に副市長が不適切発言

 

2021年3月30日() 7:44 読売新聞

 

 奈良県宇陀(うだ)市の市立病院で勤務していた男性職員(当時59歳)が昨年2月に自殺し、市が設置した有識者会議が29日、副市長や病院の事務局長(いずれも当時)の不適切な言動や業務過多でうつ状態となり、自殺につながったとする報告書を公表した。

 

 職員は2016年から同病院で勤務していたが、20年2月に自殺。市が弁護士らによる有識者会議を設置し、原因を調べていた。

 

 報告書によると、職員は18年10月に発覚した電子カルテシステムのウイルス感染について、同12月以降、原因分析や再発防止策をまとめる業務をほぼ1人で担当。市が業務集中を認識していながら、業務の軽減や担当者の増員などの対応を十分にとっていなかったと指摘した。

 

 その上で報告書は、副市長が19年8、9月頃、職員に「会議で説明をちゃんとできなかったら、後ろから鉄砲で撃つぞ」などと発言したと認定。事務局長は同じ頃、書面の記載ミスが見つかった際、職員に「お前責任とれよ」とどなったと指摘した。

 

 こうした行為について、有識者会議は、「適切さを欠く言動でうつ状態となり、自殺の引き金になった」と結論づけた。

 

 報告書の公表を受け、遺族は「尊い命がなくなったことを重く受け止めてほしい」とコメントを出した。 


《カウンセラー松川のコメント》

副市長の「後ろから鉄砲で撃つぞ」この発言自体、
本来は重要性の低い冗談であると思料致します。
自衛隊員でも無ければ、
現実世界で勤務中に小銃で狙撃される環境ではありませんし、
[鉄砲]との発言からも殺意が込められていないと感じられます。
ただ、聞き手が業務によりうつ状態となり自殺してしまった以上、
この「撃つぞ」発言がクローズアップされてしまったのです。
当然、うつ状態の者には、平常時では何でもない言葉でも、
それが大きな負担になってしまう事はあります。
発言した副市長にしても、被害者の心理状況まで把握していたか不明ですが、
多分悪気は無かったと思います。
しかし、戦場で[後ろから撃つ]と言うのは最大の裏切りですから、
この言葉の根底を知っていたとしたら、そこには恐ろしい悪意がある訳です。
真相は藪の中でしょうけど、安易に「撃つ」と言わない方が良い訳です。

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