鹿児島県教職員2024年度懲戒処分が過去最多タイ
指導のつもりで接するうちに…目立つハラスメント増
社会意識とのずれや構造的問題指摘する声
2025年3月16日(日) 6:00 南日本新聞
鹿児島県教育委員会が2024年度に発表した教職員の懲戒処分は27件となり、過去最多だった12年度に並んだ。処分理由として目立つのがハラスメントだ。関係者や識者からは、社会の変化に対応できない教員や学校組織の問題を指摘する声が上がる。
「危機的な状況だ」。4日の県議会一般質問で、教職員の不祥事が続く状況について問われ、地頭所恵教育長は厳しい表情で答えた。背景として「近年の法令変化や社会意識の変化を十分理解できていない者がいる」との見方を示した。
懲戒処分27件の内訳を見ると、ハラスメントと交通違反関係がともに7件で最多。体罰と信用失墜行為などが5件ずつ、わいせつが3件となっている。交通違反関係は12年度も最多だったが、今回はハラスメントの増加が目立つ。
県教委によると、ハラスメントでの処分は過去10年で11件あり、うち本年度が7件と突出して多い。教職員課は、23年にハラスメント防止に関する指針を策定したことで、被害を相談しやすくなったことも増加の一因とみている。
さらにハラスメント7件のうち、セクシュアルハラスメントが5件を占める。わいせつと合わせると8件に上る。こうした傾向は全国でも同様だ。文部科学省が公立学校教職員の懲戒処分状況などをまとめた人事行政状況調査によると、23年度にセクハラやわいせつを含む性犯罪・性暴力関係で処分を受けたのは前年度比79人増の320人で、過去最多だった。
NPO法人「スクール・セクシュアル・ハラスメント防止(SSHP)全国ネットワーク」の亀井明子代表(77)=大阪府=は、セクハラやわいせつでの処分が多い状況を「学校という組織に構造上の問題があるのではないか」と指摘する。
経験の浅い教員や事務職員は、ベテラン教員から下に見られやすく、「指導のつもりで接するうちに、という状況が生じやすい」。本年度に県内でセクハラやわいせつで処分を受けた8件のうち6件は、40代後半以上のベテランだ。
被害を防ぐには、どんな言動がハラスメントに当たるか、教職員が意見を交わす形での研修が有効だという。学校単位で行い、共通認識を持つことで「『今の発言は良くない』と、指摘し合える雰囲気づくりが欠かせない」と提言する。
不祥事根絶へ向け、県教委は昨年末、大学の研究者と共同で体験型の研修教材を開発した。飲酒運転とハラスメントの2種類。ワークシートで自身のリスクをチェックし、予防策を同僚と話し合う仕組みだ。今後は教材の種類を増やすことも検討しており、学校現場へ活用を呼びかけている。
《カウンセラー松川のコメント》
定員制の職場で成り手が少ないと、必然的に勤務者の質は低下します。
そして、職場の雰囲気が悪化すると、良質な勤務者が減ります。
今、少なくても公立小中学校の教員の世界は
この状況の真っただ中だと思います。
20世紀の様に「教員の倍率が高くて教員を諦める」時代ではありません。
・増え続ける仕事
・自由過ぎる児童生徒
・わがままな保護者
・無責任な管理職
・特措法で残業代は低めに固定
こんな状況で、良質な人材は集まらないのは当然です。
・教員間でのハラスメント
・児童生徒との不適切な関係
教員への指導教育だけで収まる問題ではありません。
当面は続くでしょう。
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