教職員わいせつ、類型化して対策 静岡県教委、行動規範制定へ
2021年3月8日(月) 13:00 静岡新聞(政治部・杉崎素子)
静岡県内で教職員の不祥事が相次ぎ、県教委の懲戒処分は本年度、2月までに過去最多だった2016年度の24件に並んだ。このうち児童生徒へのわいせつ行為やセクハラが7件を占める。県教委はわいせつ行為の分析を基に、21年度に教職員の行動規範制定やSNSによる私的交流に対する懲戒処分基準の規定追加などに取り組む。ただ、任命権を持つ県教委と服務管理を担う市町教委との連携など、課題は多い。
県教委は20年度、他県の対策を基に、教職員による子どもへのわいせつ行為を類型化した。被害者と一定の関係性を築く「関係乱用型」と、性的欲求などを一方的に押しつける「性嗜癖(しへき)型」に分け、さらに二つの型に分類。加害者自身の動機、良心、機会の欠如、被害者の抵抗―という「四つの壁」を越え、被害が発生すると分析。教職員間のチェック体制や子どもと2人きりにならない環境づくりを対策のポイントに挙げた。
■私的交流に規定
性加害をする教職員が児童生徒と距離を縮める手段として、近年問題視されているのが個人のSNSやメールだ。県教委はSNSなどでの私的なやりとりを禁じているが、ルールを破る事例は相次いでいる。
2月には勤務校の女子中学生に恋愛感情を抱き、LINE(ライン)で自宅に呼び出してわいせつ行為をした男性教諭が懲戒免職に。勤務校の女子高校生とツイッターでつながり、体に触るなどした男性教諭も停職になった。こうした事態を受け、県教委は21年度、懲戒処分基準を改定し、SNSでの私的交流に対する規定を明文化する。
■公式ツール試行
一方、県教委が昨年、学校現場の若手、中堅教員から集めた不祥事防止対策への意見では、携帯電話の利用について「業務用のスマホが支給されるとよい」「保護者との連絡用システムがほしい」などの声も上がった。
家庭との連絡手段を“公式ツール”に統一するため、21年度は県立3校で行事予定や欠席連絡を一元管理できるシステムを試験導入する。県教委は連絡状況を管理職も把握できる公用システムが、教員間のチェック体制強化につながると期待する。ただ、小中学校では市町ごとにICT環境が異なり、どこまで普及するか未知数だ。
2月に開いた臨時校長会で県教委は、各市町や地区ごとでも対策の方針をまとめるよう求めた。県教委教育総務課の貝瀬佳章参事は「他市町で発生した不祥事を対岸の火事としないよう効果的な取り組みを集めて体系化したい」と話した。
《カウンセラー松川のコメント》
教職員のハラスメントへの取り組みについて報道が続いている静岡県ですが、
防止に関する方針が公表されました。
しかし、教職員のハラスメント事案は静岡県に限らず発生しておりますので、
文部科学省も「県の施策であるから」と傍観するのではなく、
積極策として支援するなり、対案を示すなりの行動に出て、
児童生徒が安心して通学出来る環境を整える事も急務ではないでしょうか。
0 件のコメント:
コメントを投稿